ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2719)

 ビジネスパーソンにとっての「頭脳」「体力」「人柄」

 柘植久慶(著)『「打たれ強さ」の鍛え方』(PHP)を読了しました。

 「戦場での教訓」をビジネスの現場でも活かす、という趣旨の本です。確かに戦場での"生命のやり取り"と比べたら、ビジネスの世界が過酷だとは言っていられません。

 但し、読んでいて時々、ギョッとする箇所もあります。著者の体験談として、敵兵を斃(たお)した記述が頻出するのですが、これは要するに「敵兵を殺した」ということです。

 戦場での出来事ですので、敵を殺すのは当然であり、むしろ「戦果」であり、「自慢すべきこと」でしょう。但し、これは普通の日本人の感覚とはかけ離れているような気がします。

 さて、本書の中で興味深い記述は、優秀な軍人に必要な資質として「頭脳」と「体力」と「人柄」を挙げている点です。しかも、これらの資質を同一人物が兼ね備えていることは滅多にない、と指摘されています。

 これは、ビジネスの現場で戦うために必要な資質と共通しているように思います。

 「頭脳」「体力」「人柄」のいずれも、ビジネスの世界では武器になります。自分が強みがどこにあるかを見極めるのは、全てのビジネスパーソンに求められていると言っても過言ではないでしょう。

 欲を言えば、この資質のうち、ひとつに卓越し、ひとつで平均を上回り、ひとつで人並みをキープできれば、ビジネスパーソンとして順調に歩めるように思います。

 僕の強みは、やはり「頭脳」です。逆に弱みは「人柄」でしょう。体力に関しては、人並み以上はあると思います。

 学校秀才が実務の現場で「使えない」と言われるのは、大抵、「体力」と「人柄」に問題があるからでしょう。

 そこで僕自身の戦略を立てると、まず強みである頭脳の切れに磨きをかけ、体力をさらに強化し、人並みレベルの「人柄の良さ」をキープする、というのが合理的な選択ということになります。

 ちなみに僕の感覚では、努力がモノを言うのは、やはり「頭脳」と「体力」に関してでしょう。僕の偏見では、「人柄を良くしよう」という努力そのものが、どこか薄汚れています。

 体力に抜群の自信があるなら、さらに「頭脳」か「人柄」のどちらかを平均以上に引き上げればいいでしょう。

 人柄に自身があるなら、「頭脳」か「体力」のどちらかを平均以上に引き上げればよいということになります。

 ビジネスパーソンとして活躍するためには、どれかひとつで卓越したレベルに達する必要があり、いずれの要素も平均を下回ってはならないでしょう。厳しい条件ですが、これが現実でしょう。

山田宏哉記

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 2010.10.17 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ