ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2723)

 「本を読むのも仕事のうち」と言えるまで

 最近、ようやく読書を仕事に活かせるようになってきました。

 振り返れば、「本を読むのも仕事のうち」と言いたかったものです。大学時代にやっていた日雇い派遣や掃除屋の仕事では、読書経験はあまり役に立たなかった。

 出版社で編集アルバイトをしていた時も、あくまでやっていたのは事務作業です。読んだ本の内容が仕事に直結することは、それほどありませんでした。

 普通に考えても、段ボールを運んだり、床をモップで磨いたりするのに、経済や歴史の知識は必要ありません。

 同様にホワイトカラーであっても、ルーティン?ワークをこなす上では、読書をしていても、していなくても、成果はそれほど変わりません。

 新社会人がドラッカーを読んでも、正直、あまり役に立たないと思います。直接的に仕事の役に立つのは、ビジネスマナーのハウツー本くらいでしょう。

 とはいえ「読書をしても、ビジネスでは役に立たない」と考えるのは早計です。ある日、道はパッと開けるように思います。

 例えば、企画や立案の占める割合が大きくなると、これまでの読書経験が大いに役に立つものです。

 読書経験が豊富な新社会人が強みを発揮するためには、企画やマネジメント系の仕事をするのが近道でしょう。この種の分野は、読書を仕事に活かしやすい。

 ですので、読書量に自信がある若手のビジネスパーソンは、積極的にこのようなポジションを狙っていくべきでしょう。

 逆に「瞬発力」を競うような業務では、読書をしていてもあまり差別化ができません。僕にも経験がありますが、武術や格闘技の本を読んでも、さほど強くなれないものです。

 さて、いまだ読書を仕事に活かすことができない新社会人が支えとするべきは「優秀なビジネスパーソンは読書をしている」という事実そのものだと思います。

 仮に周囲の同僚はTVしか見ないとしても、世界中の強力なライバルたちは必死で勉強しています。そのことを想起するべきでしょう。私の恩師も、社会人になってから1日1冊のペースで読書していたと言っていました。

 先端の知識や技能にキャッチアップできない人が、市場価値を失っていくのは当たり前です。その生き行く先は、年収2万ドルの単純労働者です。

 そもそも、知識や情報で飯を食っている人間が読書をするのは、当然と言えば当然なのです。

 この際、上昇志向の強いビジネスパーソンは「本を読むのも仕事のうち」と言い切ってしまった方がよいと思います。

山田宏哉記

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 2010.10.23 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ