ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2728)

 参謀型ビジネスパーソンの挑戦

 今、上司と部下の関係に求められるものが変わってきているのではないかと思います。

 上司の「手足」となって動く部下から、上司の「頭脳」になる部下への転換です。一言で言うと、ソルジャー型から参謀型への転換です。

 どうも日本だと「上司がタバコを取り出したら、サッとライターで火をつける」みたいな気遣いが尊ばれる傾向があります。しかしこれは、企業の利益とは何の関係もありません。

 あるいは、何も考えずに馬車馬のように働く(働いた気になっている)ソルジャー型の部下を高く評価する上司も多いかもしれません。

 しかし、僕たちはもう、こんな「ロール・プレイング・ゲーム」をしている場合ではありません。

 ビジネスパーソンが忠誠を尽くすべきは、顧客や利益や社会貢献に対してであって、「人間としての上司」に対してではありません。本来、顧客のためなら、怒鳴ってでも上司を説得するべきでしょう。

 従って、部下が為すべきことは、自ずと「上司が為すべき職務を徹底的に補佐する」ということになります。

 参謀型のビジネスパーソンにとって、「指示待ち」というのはあり得ない。上司が、意思決定と承認だけをしていれば済むように、次々と物事を処理していくのが部下の仕事です。

 これは「上司がタバコを取り出したら、サッとライターの火を指し出す」といった話とは、全く別次元にあります。タバコを吸うのは上司の職務ではありません。そんなことはどうでもいいのです。

 上司から、「コピーを取ってくれ」と言われたから、部下がコピーを取る。この種のことを「組織における命令系統」だと解釈して、「上司と部下の理想的な関係」などというのは変です。

 別に間違ってはいませんが、何も上司の指示に応えることが部下の仕事なのではありません。

 上司にコピーが必要という局面自体、かなり微妙ですし、仮に必要なら言われる前に渡しておくべきでしょう。

 参謀型の部下は上司から何も言われなくても、例えば利益増大やコスト低減の施策を立案して、上司の決裁を得るべきです。

 繰り返しますが、参謀型のビジネスパーソンが忠誠を顧客尽くすのは顧客や利益や社会貢献に対してです。その共通の目的のために、部下は「上司が為すべき職務を徹底的に補佐する」のです。

 そして、参謀型ビジネスパーソンにとっては、まさにこれが上司と部下の理想的な関係のあり方なのです。

【関連記事】
参謀の職務を考える

山田宏哉記


Tweet

 2010.10.29 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ