ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2730)

クローズアップ現代「認知症" 命の金が奪われた"」要約

 NHK クローズアップ現代「認知症" 命の金が奪われた"」(10月27日放送)の要約は以下の通りです。

 日本には判断力が覚束ない認知症の高齢者が約200万人いる。NHK等の調査によってこの度、認知症の高齢者のうち5人に1人が財産などを騙されて奪われる被害に遭っていることが判明した。

 被害額としては、100万円以上が全体の65%。1000万円以上の被害に遭った案件が12%ある。

 認知症の高齢者に迫る危険には、大きく分けて3つのパターンがある。

 1.悪徳業者による詐欺

 2.高額な金融商品の売り付け

 3.身近な人が財産を横領。

 項番1について。番組で紹介されていた犯行グループは、かつて「振り込め詐欺」を行っていた連中だった。

 犯行グループの"ボケ老人"の探し方としては、流通している"老人名簿"を元に、まず知人の振りをして標的に電話をかける。「2年前にお世話になった高橋ですけど…」というような"さぐり"を入れて、「あぁ、高橋さん」みたいな反応だったら「少しボケてる」と認定する。

 そして、犯行グループは"ボケ老人"に架空の会社の社債や株式を売り付ける。しかも、認知症の老人は振り込んだことを忘れてしまう場合が多いので、「まだ振り込んでませんよ」と催促し、1日に何度も振り込ませる。

 番組中の犯行グループのメンバー曰く「(認知症の老人を騙して財産を奪うことに)罪悪感はない。自分が取らなくても、他の業者などに取られる。他の人に取られるなら、自分が取る」。

 項番2について。銀行や証券会社の営業担当者も、こぞって"ボケ老人"に金融商品を買わせようとしている。番組で紹介されていた認知症の高齢者の元には、金融機関の営業担当者の名刺が100枚以上残されていた。

 証券会社の元営業担当者曰く「今は株価が全然ダメで、全然儲からない。営業マンの言うことをよく聞く人を"丸い"お客さんと言ってですね。やっぱり高齢者。そういう"丸い"お客さんを何名持つかで営業成績が大きく異なってくる」。

 項番3について。身近な人による犯行としては、家政婦やタクシーの運転手、近所の人や知人などが認知症の老人の財産を奪うという事件も発生している。世話になっている人からの犯行だと、被害者が声を出しにくい。

 以上のような被害は、「被害に遭ってしまった後」では、財産を取り戻すことは難しい。

 公共部門が認知症の方の問題を保護する体制を整備することが求められている一方、高齢者本人やその家族も成年後見制度を活用するなど、自衛手段を取ることが必要になっている。

 所感。唖然とするほど酷い内容だが、このような"問題番組"を放送したNHKをまずは評価したい。「人間はカネのために、ここまでするのか」と思う一方、「この国は大丈夫か」と改めて問いかけたい。

山田宏哉記

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 2010.10.29 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ