ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2732)

 公園からブランコが消える日

 最近、公園や幼稚園の運動場からシーソーが撤去されているようです。理由は「危険だから」。

 僕が見聞した範囲でも、今、子供向けの「スリリングな遊具」が次々と撤去されつつあります。

 ジャングルジムが「危険だから」という理由で撤去されているのは知っていました。ジャングルジムの上から転落すれば、怪我をするかもしれません。

 シーソーの危険個所を無理に探すとすれば、支点付近に手を挟むなどのリスクが考えられます。

 しかし、こんなことを言われても、本能的に違和感を感じる人が多いでしょう。

 僕が子供の頃は、結構危ない遊びをやっていました。土が盛られた工事現場で土の塊を投げ合ったりしていた。

 友達が高い場所から飛び降りて頭から出血し救急車で運ばれたときは焦ったものです。学校の生徒が5メートルくらいの木によじ登って、背中から落下した場面にも出くわしました。今思うと、結構冷や汗が出るものです。

 公園ではおなじみのブランコも危険と言えば危険な遊具です。

。ブランコで勢いをつけて柵を飛び越える遊びをよりましたが、柵を飛び越えられなくて怪我をするケースがありました。使用中のブランコに接触してはね飛ばされる子供もいました。

 語弊のある言い方かもしれませんが、こういう経験が大事なのです。子供はこうやって危険察知の能力を養っていくからです。

 「公園にシーソーやジャングルジムや鉄棒のような危険な遊具を設置するな」などと言うバカ親(親バカではない)を何とかしないと、子供の危険察知能力が育たず、将来が心配です。
 
 初めから危険なモノから遠ざけられていると「これ以上、やったらヤバイ」という境界線が見えないものです。

 例が微妙ですが「2階から飛び降りても怪我をするくらいで済むが、4階から飛び降りるのはヤバイ」とかそういうことです。人を殴ったことがないから、いきなり刃物で刺してしまうのです。

 おそらく子供には、カッターナイフで鉛筆の芯を削って、間違って自分の指を切ってしまうような経験が必要なのです。

 「痛い」というリアルな感触があれば、いちいち「刃物で人を刺してはいけません」などと教えられなくてもわかるものです。

 過剰に危険から遠ざけられて育てられた子供に限って、ある日突然キレて、繁華街でいきなり刃物を振り回すような大人になってしまう危険性があります。

 むやみやたらと子供たちから"危険なモノ"を遠ざければ、済むというものではない。僕たちは今一度、そのことを認識する必要があるのではないでしょうか。

山田宏哉記

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 2010.10.31 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ