ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2736)

 今こそ、"競争優位"で勝負する

 あなたは今、"自分の強み"を活かして仕事をしているでしょうか。

 いわゆる日本的サラリーマンは、嫌いな仕事を義務感で嫌々やって、過労死スレスレまで働くことが「偉い」と思っている節があります。厳しいことを言わせてもらいますが、これではただの自己満足に過ぎず、企業の利益とは何の関係もないでしょう。

 さらに大きな枠組で言えば、こんな働き方をしているから、海外との競争で連戦連敗を繰り返すのです。

 ビジネスパーソンをやっていてよく感じるのは、自分の強みを持っていて、しかもそれを自覚している人は強いということです。これは必ずしも業務上の「専門知識」ということではありません。

 その種の「教育可能」なものは、現実には、あまり核心的な競争力を持たないものです。

 具体例を挙げましょう。

 例えば、誰とでも仲良くなれる人がいます。これは非常に貴重な能力で、ビジネスの現場でとても役に立つものです。業種や職種を問わず、汎用性も高い。

 では、他人に「誰とでも仲良くなる方法」を伝達することは、可能でしょうか。たぶん不可能です。本人が思っている「誰とでも仲良くなるコツ」は、おそらく他の人が実践しても、その通りにはならないでしょう。

 あるいは、会話や話し方が上手な人がいます。これも非常に貴重な能力で、職種によっては必要不可欠の条件になります。

 これまた、他人に「上手な話し方」とかを教えるのは不可能に近いと言えます。強いていえば「見て盗め」の世界でしょう。

 僕が主張したいのは、こういう暗黙知の次元で「自分の競争優位の能力が何か」を見極めることの重要性です。

 ビジネスパーソンにとって、競争力を持つは、おそらく20歳までの間に「他の人から褒められたこと」の中にあります。「デザインのセンスがある」とか「頭の回転が速い」「人の顔と名前を覚えるのが得意」「人望がある」など。

 この種の暗黙知は、本人にとっては「何でもないこと」でも、他人が真似をするのは困難を極めるものです。だからこそ、それを最大限に活かすのが得策です。

 そして、自分が持っている競争優位の能力を自覚したら、次に必要になるのは、それを市場価値と擦り合わせ、日々の仕事の中に落とし込んでいくことでしょう。

 どうすれば、自分の強みが市場価値を持つのか。ここを本気で考えるべきしょう。

 そして、自分の強みを活かせる局面を増やし、苦手な局面を減らす。おそらくこれが、実社会で活躍するための正攻法(ゲリラ戦法?)でだと思います。

 よく「これからの時代、必要になるのはこんな能力」みたいなことが言われます。しかし、「無視して良い」と僕は考えています。

 苦手なことを努力して義務感でやっても、元々好きでやっている人には勝てないものです。現実は残酷です。

 それより、もっと自分本位で、既にある自分の持ち味を活かしてお金を稼ぐことを考えた方が、よほど生産的だと僕は考えます。

山田宏哉記

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 2010.11.3 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ