ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2738)

 "プラスα"の情報共有論

 私が読んだビジネス書は、すべて職場の仲間に報告するような仕組みを作りました。重要書に関しては、要約付きでレポートします。もちろん、ウェブにも書評記事を書きます。

 何せ、このような仕組みがあれば、マジメにビジネス書を読むモチベーションが生まれます。
 
 もちろん、この種のことは誰かに言われたからやるのではありません。単に私がやりたいから、やるのです。ですので、これらは"プラスα"の情報だと言えます。

 さて、例えば勤務時間外に読んだビジネス書をレポートとしてまとめて「仕事」にしてしまう。言葉にすれば簡単ですが、"プラスα"の情報共有を上手くやるには一定のノウハウが必要になります。

 以下、これまでの経験から得られた知見ですが、あくまで一般論であり、ある特定の職場の話をしているわけではないのでご了承ください。

 まず、「情報感度が鈍い人」とか「勤労意欲が薄い人」には、直接その人の担当業務と関係のない情報は伝えない方がよいものです。貴重な情報を教えても「この情報と私の担当業務にどのような関係があるのか」とか言われたら、面倒くさいいことこの上ありません。

 世の中にはこの種の人が一定の比率でいるものです。

 もっと言えばビジネスに関して、"プラスα"の情報を教えるのは「仕事が好きな人」に限定した方がいい。そうなると当然、「あの人は仕事が好きか」を考える必要があるわけですが、これは普段の言動から、残酷な程にわかってしまうものです。

 もともと僕たちは、決して「みんな」に対して、平等に同じ量と質の情報を伝えているわけではありません。やる気のない人には必要最低限のことしか言わないし、やる気のある人には最大限の情報を伝えたりします。たぶん、誰しも無意識にそうしていると思います。

 また、「情報処理能力には個人差がある」というのも、押さえておくべきポイントです。人間は、咀嚼可能な分量を超える情報量が押し寄せてくると、拒否反応を起こします。たとえそれが貴重な情報であっても、です。

 だから、情報のハブになる人は、各人のおおよその情報処理能力を把握しておく必要があります。

 この対策として有効なのは、「質問されたら答えること」を用意しておくことです。自分から言うこと(プッシュ型の情報)を必要最小限に抑えて、感触がよかった人に限定してより突っ込んだ情報を提供する。これは結構使えるノウハウです。

 そして僕の経験上、仕事ができる人はほぼ例外なく、プラスαの情報に興味を示すものです。そしてこれは、個人としてのパーソナリティと潜在能力が問われる局面でもあります。

 職場で"プラスα"の情報をやり取りをすると、本当に色々な知見が得られます。

 中でも特に大きいのが、誰が情熱を持って本気で仕事をしているのか、それがわかることではないでしょうか。

山田宏哉記

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 2010.11.4 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ