ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2741)

 【"私のメディア"論】アウトプット先と素材を確保する 

 "アウトプットの場所"というのは、なるべく多く確保しておいた方が有利だと思います。"素材"を確保し、消化することへのインセンティブが高まるからです。

 ビジネスパーソンであれば、職場がメインのアウトプット先だと思います。ビジネス書を読むのも「職場の仕事で役立てるため」でしょう。但し僕は、職場の他にもアウトプット先を確保していた方がいいと考えています。

 なぜなら、ビジネスの現場には利害関係があるからです。端的に言えば、「利益に貢献する」という行動規範があります。そこでやり取りされる情報は、決して客観的でも、中立でもありません。

 だからこそ、あえて利害関係を離れた場所に、アウトプット先を確保することの意味があります。

 僕の場合で言えば、「ウェブに記事を書く」とか「職場の仲間に報告する」といった明確な目的があるからこそ、インプットも捗(はかど)ります。例が悪いですが、窃盗団が「売却ルート」を確保してから盗みに入るのと同じ構造です。

 ウェブ向けの記事と職場向けのレポートでは、当然、読み手の「情報ニーズ」が異なります。アウトプット先によって、記述する情報や表現を書き分けることは、情報感度や文章作成能力を鍛えるための格好の訓練になります。

 これも、アウトプット先が多い程、よいトレーニングになるでしょう。

 素材としては、まず企業博物館への探訪というのは、かなり使えることがわかりました。ウェブ向けの記事にしやすいし、「CSR事例の現地視察(見学)」といった感じで職場にレポートすれば、自分たちの社会貢献のあり方と比較対照する材料にすることができます。

 例えば、三菱みなとみらい技術館への探訪であれば、ウェブ向けには"お勧めスポット"として紹介し、職場向けには"インフラ系企業のCSR事例"という文脈で紹介することができるでしょう。こういう書き分けが必要であり、まさにここが書き手の腕の見せ所でもあります。

 自分が働いている業界・業種のイベントや講演会などについても、同じ素材でウェブ向けの記事と職場向けのレポートの両方を書きやすいと思います。

 工場見学も、生産工程の工夫などは、汎用性が高く、他の業界・業種であっても参考になる知見を得られると思います。

 僕自身、工場見学については腰を据えてやりたいと考えています。

 今の若い世代は、あまり工場と縁がありません。文科系の教育を受けてきた人間には尚更です。その一方、日本の高度経済成長を支えたのは、工場で勤勉に働いた労働者たちであります。だからこそ、知っておく必要があるし、伝える必要があります。

  以上のように、アウトプット先であれ、素材であれ、工夫次第でいくらでも得られることがわかります。後は、やる気と熱意の問題でしょう。

山田宏哉記

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 2010.11.6 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ