ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2747)

 やった仕事を認めてもらう

 意欲的に仕事をするために必要なのは、"やりがい"でも、"報酬"でもなく、"裁量"なのだと思います。簡単に言えば、「仕事の進め方を自分で決められる」ということです。

 この条件がないと、どうしても「やらされ感」が強くなります。「〆切は今日中」の仕事が次々と降ってきたら、誰だってゲンナリしてしまうでしょう。

 では、どうすれば仕事をする上での裁量を手にすることができるのか。

 ひとつ言えるのは、裁量というのは、必ずしも「よし、お前に裁量をやる」というものではないということです。上司に言われたことをやっているだけでは、裁量は手に入らない。

 僕の場合、社会人になりたての頃と比べると、今では比較的、裁量を持って仕事に打ち込むことができるようになりました。

 その間、僕が心掛けてきたことは、「言われた仕事をやる」ことから、「やった仕事を認めてもらう」方向にシフトすることです。

 おそらくポジションは同じでも、上司に言われたことをやる人と、やった仕事を上司に承認してもらう人では、裁量の度合いが全く異なります。

 いわゆる「指示待ち人間」に裁量はなありません。逐一、指図を受けないと動けない人に、自主的に仕事をしてもらうわけにはいかないでしょう。しかも、逐一、指示を出すなら、人間よりコンピュータに命令した方が速くて正確です。

 本来、仕事というのは、上司に言われた時には、既に終わっていることが望ましいものです。やるべきことは先手必勝で、言われる前に終わらせてしまう。そうすれば、格段に裁量の余地が大きくなり、仕事が楽しくなると思います。

 補足ですが、「やった仕事を上司に認めてもらう」というスタイルで通すためには、上司の目線で物事を考えることが不可欠です。だから新入社員であっても、マネジャーの考え方を身に付けることには大きな意味があります。

 ちなみに、「やった仕事を認めてもらう」のは、実はウェブサイトの運営と同じスタイルです。

 読者から「書いてくれ」と言われたテーマを書いていたら「遅すぎる」。「読者に言われたことを書いているのに、どうして俺は評価されない!?」などと愚痴を言う書き手は終わっているのは明らかです。

 読者を上司と置換すれば、ビジネスパーソンも同じことが言えます。

 もっとも、日本的サラリーマンの中には「言われた仕事を嫌々やって、場末の酒場で愚痴をこぼすのが社会人の義務だ」と考えている人もいると思います。

 こういう人には、圧倒的なパフォーマンスの格差を見せつけて、黙らせるのが賢明でしょう。

 何はともあれで、楽しく仕事をしたいビジネスパーソンには、「上司に言われた仕事をやる」のではなく、「やった仕事を上司に認めてもらう」というスタイルを採用することを強く推奨致します。

 「言われた仕事をやる」人とは、見える景色が全然違ってきます。

 山田宏哉記

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 2010.11.9 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ