ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2751)

 "ビジネスで使える情報源"を考える

 一昔前、新入社員の作法として「朝早く出勤し、新聞各紙を確認し、自社に関連する記事を切り抜いて、部長の席に置いておく」ということがあったと本で読んだ記憶があります。情報収集と分析の訓練として、やる価値はあるでしょう。

 大抵の職場には「やらなくても直接的な支障はないけど、やった方がいい仕事」というものがあります。自社や顧客関連の新聞・雑誌記事の切抜、社内報や社内向けメールマガジンの発行、あるいは企業ツイッターの導入(?)などが挙げられるでしょう。

 僕は怠け者でここまでやりませんが、情報収集には強いので、似たようなことはしています。マネジャーの立場でモノを考えるなら「重要な記事を見落とす」というのは、結構、痛いことです。

(余談になりますが、新社会人が頭角を現わすための最初のチャンスは、まずはこういう部分にあると思います。「うちの会社には、これが足りない」と気付いたら、どんどん自分でやってしまえばいいわけです。)

 さて、ビジネスの現場で使える情報源としては、まだまだウェブよりも、伝統的な「紙メディア」の方が強いものです(官庁の統計情報などを除く)。

 「日経新聞」や「日経ビジネス」に掲載された情報ならば職場でも比較的、安心して言及できますが、Gigazineとか「はてブニュース」、あるいは個人ブログの情報に言及するのは、さすがに躊躇われます。

 Gigazineの記事などは、個人と参考にする分には問題ありませんが、ビジネスの現場で情報源として提示する媒体としては、まだまだ弱いと思います。

 日経新聞は必ずしも先鋭的な報道をしているわけではありませんが、少なくとも、記事の内容に関する責任の所在は明確です。

 ビジネスの現場では、「身元がしっかりしている」ということが重要です。例えば「本人確認」をする場合にも、(間違えたらスキャンダルになりかねないので)一般常識よりも厳しく精査します。

 従って、使用する情報源もある程度慎重に選定する必要があります。一般書籍に言及する場合も注意が必要で、おかしな発言をしている著者の本などには、言及しない方が賢明です。

 また、仕事で使用する情報は、なるべくオリジナルに近いソースを参照するのが原則です。

 法令や規格は原文で確認する。「日経新聞」で報道されていても、例えば「厚労省の発表によると…」となっているなら、厚労省のウェブサイトを確認する。

 昔、「年下の上司」の下で仕事をしたことがありますが、その時、「確認する」ということを習慣と口癖にせよ、と教わりました。当時は自尊心が傷ついたものですが、今思えば、本当にありがたい教えだったと思います。

 考えてみれば当たり前のことです。そして、仕事で差がつくのは、案外、実はこうした小さな習慣の積み重ねのように思います。

 山田宏哉記

Tweet

 2010.11.12 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ