ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2755)

 青春のペッパーランチ

 昔、こんな話を読みました。

 あるお姫様は食べ物がなくて困っていた。そこに「生肉」が差し入れられた。当初、お姫様は「嫌だわ、生肉を食べるなんて」と言っていたが、お腹が空いて、だんだん我慢できなくなってきた。こうしてお姫様は、おいしそうに生肉を食べるようになった。

 本日、ペッパーランチでサービスステーキを食べました。180gで\740でしたが、ライスを切らしていたため、\550になりました。いやはや、恐るべきコストパフォーマンスです。

【写真】ペッパーランチ。サービスステーキ。


 ペッパーランチのステーキは、熱せられた鉄板の上に生肉が乗せられ、ジュワーッと湯気が上がる状態で客に差し出される。生肉に近い状態で食べたい人は、ササッと肉をモヤシの上に避難させておく。

 こういう具合に焼き加減を調整できるのも、ペッパーランチの魅力だと言えます。

 また、ペッパーランチのステーキは大体\1,000くらいですが、例えばファミレスでステーキを注文するより、味は良く、値段は安い。普通の生活水準の独身男性が「おいしいステーキが食べたいなぁ」と思ったときは、たぶんペッパーランチで決まりでしょう。

 ちなみにペッパーランチには「ペッパーライス」という独特のメニューがあるのですが、これも結構、美味です。「やたら胡椒が利いたチャーハン」みたいな料理だが、生のバラ肉が目の前の鉄板で焼かれるので、自分で肉の焼き加減を調節することができます。

 全席カウンターで余計な費用をかけていないのも良いです。

 但し、ペッパーランチは"不祥事"が目立つチェーン店でもあります。2009年には病原性大腸菌のO157が検出されて、営業停止に陥っています。

 また、2007年には、店長と従業員が以下のような考えられない重犯罪を犯しています。

 [引用開始]

 ステーキチェーン店「ペッパーランチ」心斎橋店(大阪市中央区)内で食事中の二十歳代の女性を拉致して乱暴したとして、南署は十六日までに、同店店長、北山大輔(25)と店員、三宅正信(25)の両容疑者を、強盗強姦と逮捕監禁傷害の疑いで逮捕した。

 調べによると、北山容疑者らは九日午前零時二十分ごろ、店の閉店作業を装ってシャッターを閉め、食事をしていた女性を「逃げたら殺す」とスタンガンで脅迫。睡眠薬を飲ませて車に乗せ、泉佐野市内の貸し車庫に拉致して乱暴し、現金約五万円入りの財布を奪った疑い。(「日経新聞」2007/05/17付)

 [引用終了]


 この事件の直前、「藤沢久美の社長トーク」にペッパーランチの社長が出演していたのだが、上記の暴行事件が発生したために、音源が削除されたと記憶しています。

 以上のように企業風土に問題はあるかもしれませんが、それでもペッパーランチのコストパフォーマンスが高いのは間違いありません。

 大学時代、僕が「ちょっと贅沢」をするために行ったのは、歌舞伎町のペッパーランチでした。初めて店に入るには、かなりの勇気を要する空間設計だったが、慣れてしまえば何と言うことはなかったものです。

 雰囲気的には、明らかに女性の一人客を拒否していましたが、まぁ、そういう店もあります。公然と「女性客お断り」と書いてあるわけではないですが、そういうことを感じる嗅覚は大切です。

 実際、女性が一人でペッパーランチに入ったばかりに、拉致・監禁・暴行される事件が起きているわけです。

 巣鴨のペッパーランチにもよく行きました。ブラジリアン柔術を習っていた時期、トレーニングの後には無性に「肉」が食べたくなった。板垣恵介氏の格闘漫画では、肉を食べるシーンが過剰に強調されるが、そういう関係はあるでしょう。

 もっとも最近、巣鴨に行ったら、柔術の道場も、ペッパーランチもなくなっていました。

 最近では、ペッパーランチの六本木店によく行きます。六本木ライブラリーに行く前や帰る途中に立ち寄るわけです。

 従業員がアフリカ系のためか、ちょっとした異国情緒を味わうこともできます。六本木交差点の付近には怪しげな店が多いのですが、ペッパーランチならば安心して入ることができます。

 ペッパーランチ。そして、そこに漂う生肉の香り。それは僕の青春に欠かせない存在なのかもしれません。

 山田宏哉記

Tweet

 2010.11.15 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ