ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2762)

 クローズアップ現代「“尖閣映像”流出の衝撃」覚書 

 NHKクローズアップ現代「“尖閣映像”流出の衝撃」(2010年11月15日放送)を視聴しました。

 この事件に関して、海保関係者の証言が紹介されていたのが貴重でした。

 まず元海上保安庁幹部の和田郁生さん曰く「情報はオープンにし、共有して、みんなで危機に立ち向かうことが、海上保安官として大切なことのひとつだ。そのことを広く国民にわかって頂きたい」。

 匿名でNHKの取材に応じた現役の海上保安官の証言も紹介されていました。曰く「危ない思いをして船の間に挟まれたら命はないんだから、我々の仕事をわかってもらう意味でもこの映像は公開されるべきだったと思いますよ」

 「(中国人船長の解放を受けて)やってられないですよね。正義感、使命感でやっている部分じゃないですか。それを否定されたようなもんだよね」

 そして、今回の流出についての所感も紹介されていました。曰く「国民の知る権利というのはわかる。だからわしらも彼がやったこともわかる。しかしこれを認めてしまったら組織として成り立たない」
 
 尚、番組では事件当初、海上保安庁は報道機関に配るため、DVDを十数枚、用意していたことが紹介されていました。
 
 また、番組にゲストとして呼ばれた田中均氏(日本総研国際戦略研究所理事長)曰く「組織は規律がなければならない。厳しい措置を取らざるを得ないのではないか。同時に政府の一貫性も問われるべきだろう」とのことです。

 この際、今回の事件に対する私の考えも記しておきます。

 尖閣映像は、そもそも政府が映像を「非公開」としたのが酷い判断ミスでした。

 但し、そのような意志決定であれ、現場の公務員が勝手にYoutubeに投稿して良いわけではありません。

 一番の問題は国家の指揮系統に反して「映像流出」したので外国の諜報機関等からの信用を失うことでしょう。やはり、公務員なら「国家の信用を傷付ける」とか「戦争に発展するリスクがある」ことにもっと自覚的である必要があります。

 個人的には、流出させた保安官には、海保が「出勤停止」?「厳重注意」くらいの処分を下すのが妥当だと思います。

 但し、海保が"泣いて馬謖を斬る"可能性は、決して低いとは言えないでしょう。結果の善し悪しとは関係なく、組織の指揮系統を乱す者には厳しい処罰を下す。組織で働くとは、そういうことでもあるからです。


 山田宏哉記

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 2010.11.19 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ