ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2764)

 サイエンスアゴラ2010探訪記

 
本日(2010年11月20日)、サイエンスアゴラ2010に行ってきました。

【写真1】東京国際交流館。サイエンスアゴラ2010の会場。 

【写真2】サイエンスアゴラ2010の看板。


 目的はもちろん、中西貴之氏の講演です。ご存知ない方のために簡単に説明しておくと、中西氏はポッドキャスト番組「ヴォイニッチの科学書」のパーソナリティです。

 僕は大学院時代からこの番組を拝聴しています。ちなみに現在、「ヴォイニッチの科学書」はFebeで有料配信(月\500)されていますが、僕は有料の会員登録をしています。

 会場となった東京国際交流館3Fのメディアホールは大盛況で、立ち見となった方が多数いました。

 さて、講演の内容は大きく2つに分かれていました。

 前半が中西氏の新刊本『宇宙と地球を視る人工衛星100』に関連した「人工衛星」の話。後半が質疑応答。そして、個人的に感銘を受けたのは、質疑応答の方でした。

 中でも「わかりやすく話すにはどうすれば良いか」という趣旨の質問に対する中西氏の答えが印象的でした。

 この質問に対する中西氏の回答を簡単に要約すると、「喋りすぎない」ことと「リスナーに伝わらないであろう情報をカットすること」になります。

 相手が理解できていないことを喋りすぎると、相手が混乱してしまう。だからクリティカルな情報に限定して伝えた方が良いという話です。

 例えば、機械が故障して相手から「故障の原因は何ですかね?」と聞かれたとする。

 この時、相手に予備知識があればテクニカルな説明をすれば良いわけです。しかし、相手が知識不足の場合はどうするか。

 こういう場合は、テクニカルな説明は適当に省略して、「もう心配ありません」とだけ答えておけば良いでしょう。相手は機械が動けばいいわけで、何も本気で技術的な原因を究明したいと思っているわけではないことが大半です。

 「番組のネタをどのように収集しているか」という趣旨の質問に対する回答も非常に興味深いものでした。

 この質問に答えるために、中西氏のPCの作業フォルダがプロジェクターでスクリーンに映し出されたのですが、実のところ、この為だけでも行く価値がありました。

 毎週の「ネタ選び」には、大学や企業のプレスリリースを使うことが多いという話でした。ウェブサイトや新聞記事のスクラップも保存されていました(但し、新聞記事は一次情報ではないので、そのまま使うわけにはいかないようです)。

 そして、上記のような情報を、"クラウド"ではなく、オフラインでも閲覧できるように"手元のPC"に保存されていました。

 出版的に面白い話もありました。中西氏の新刊『宇宙と地球を視る人工衛星100』は、企画としては去年からあったそうです。

 中西氏の話によると、去年の段階では出版社に持ち込んでも「テーマが人工衛星なんて売れませんよ」と断られました。ところが、今年になって「はやぶさ」が話題になったことで、出版可能になったようです。

 雑談ネタとして傑作だったのは、中西氏が紹介した「山口新聞」の記事の中に"後頭部"だけが写った方が会場に来ていたことです。質疑応答の際にそれを告白していました。

 概要はおおよそ以上のようになりますが、何はともあれ、非常に満足のいく内容でした。

 山田宏哉記

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 2010.11.20 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ