ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2795)

 "指示待ち人間"に明日はあるか

 近頃、「社内失業」という言葉が話題になっているようです。要するに、職場に行っても具体的にすることがない。

 確かに、仕事がないとスキルの向上もしようがありません。これが問題だというわけです。

 しかし、ここで素朴な疑問が浮かびます。

 「仕事がないなら、作ればいいじゃないか」というものです。あるいは忙しそうな人の所に行って「何か手伝いましょうか」と申し出ればいい。

 常に思うのですが、仕事は勝ち取るものです。どうも組織人にはその意識が薄いように思います。「上司が何か具体的に指示をして、それに従うことが部下の務め」などと勘違いしているのではないでしょうか。

 従業員が会社のためにするべきことは、「会社に利益をもたらすこと」であり、「コストを削減すること」であり、「リスクを適正に管理すること」であり、「社会に貢献すること」です。

 上記のことに貢献することは、どんどんやればいいわけです。

 僕自身、有益だと判断して、誰に言われることなく、情報収集係をやったり、各種レポートを書いて報告しています。

 いずれにしても、職場で「暇だ」とか「やることがない」と感じたら危険信号です。ネットサーフィンで時間を潰して「おいしい仕事だ」とか言っているようではいけません。

 そんなときは、企画のひとつやふたつ立案して実行したり、放置されているシステムの不備を補修するべきでしょう。

 行きたいセミナーや研修があったら、自分から「行きたい」と提案したり、有給休暇を取って行くべきでしょう。キャリアに関しても、自分で戦略的に築いていく必要があります。

 そういう働きかけをせずして、「仕事がない、仕事がない」とぼやいても仕方がないのではないでしょうか。

 最悪なのは、「上司からの指示がないから」などと言って、ただ座っているだけで時間を潰すことです。この文脈からも、やはり部下は自ら仕事を見つける必要があります。

 仕事の進め方として「上司が指示して、部下が服従する」という関係はあまり望ましくありません。「部下が提案して、上司が承認する」方が格段に望ましい。

 だからこそ、僕はビジネスパーソンとしては「言われた仕事をやる」のではなく、「やった仕事を認めてもらう」という戦略を採用しています。

 それでもよく「指示があるまで待っていないか? 『ゼロから仕事を作れ』とまでは言わないけど、そんなことじゃダメだぞ」と注意されます。

 自分では全然"指示待ち人間"だと思っていませんが、マネジャー層から見るとやはり"指示待ち人間"に見えるのでしょう。

 おそらくもう、それくらいに"指示待ち人間"はいらないのです。"指示待ち人間"の行きつく先は社内失業であり、ゆくゆくは本当の失業であることは明らかでしょう。

 山田宏哉記



 2010.12.6 記事一覧へ戻る 文筆劇場・ト