ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2797)

  "読書の蓄積"を仕事に活かす

 「読書は仕事に役立つか」という問には、一概に答えることはできません。読む本や従事する職種によって違ってきます。何よりも本人次第でしょう。

 ですので、ここでは問題の立て方を変えます。「読書を仕事に役立てるにはどうすればよいか」を考えることにします。

 僕は、学生時代からビジネス書はよく読んでいたものです。

 もっとも、社会人になってから1〜2年は、読書の蓄積をなかなか活かせずにいました。但し、ここに来てようやく、読書の蓄積が活きてき始めたと思います。

 その理由は、読書の性質に負っていたと思います。つまり読書は「経験を補強することはできるが、経験に取って代わることはできない」。

 ですので、実務経験が少ない頃は、本で得た知識はあまり役に立たない。読書が実務経験に取って代わることができないからです。それは当たり前のことです。

 しかし、ある程度の実務経験を積むと、それまでに本で得た知識が実務経験を補強するようになります。僕の場合、社会人になって2年半が経った頃、このポイントがやってきました。

 「石の上にも三年」とはよくぞ言ったもので、価値ある成果を出そうと思ったら、これくらいの時間は必要なのでしょう。

 また、「役に立つ」と言っても色々な方向から見る必要があります。

 新人がドラッカーを読んでも、直接的に日々の業務に役立つことはないかもしれませんそれでも、ドラッカーを真剣に読んでいれば、自社の経営幹部や他社の経営者と共通の話題ができます。このメリットは大きい。

 ひとたび"読書の蓄積"を仕事に役立てることができるようになれば、一気に仕事の幅が広がります。だから、早急に読書で成果を出すことを焦らない方が賢明です。

 同時に、毎日読書をする習慣があるなら「読書を強みにできる職種」にはこだわった方が良いと思います。勤務時間外に同じ本を読んでも、ある人にとってはそれが「仕事」になり、別の職種の人にとっては「趣味」となります。

 これでは、パフォーマンスの格差が広がる一方です。

 ですので、既に読書の習慣を持っている学生が一般企業に就職するなら、会社によって温度差はありますが、企画・マーケティング・研究開発・知財・法務・人事・教育あたりの職種を狙うのが良いのではないかと思います。

 また、企業風土に関しては、メールがビジネスコミュニケーションの主流であるほど、読書の強みを活かしやすいように思います。

 山田宏哉記

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 2010.12.7 記事一覧へ戻る 文筆劇場・ト