ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2798)

 "台本"を捨てて、英語を話そう

 おそらく、日本人が英語を話せない理由は、フリートークの経験が足りないからです。

 ありがちな英会話の授業やレッスンとして、講師がまず発音し、生徒たちが復唱するというスタイルがあります。僕はこういうスタイルは非常に効率が悪いと思います。

 なぜなら「台本がなければ、話せない」からです。

 僕は英会話のレッスンは、すべからくフリートーク、フリーディスカッションを基本に据えるべきだと思います。なぜならこれが、最も"本番"に近い環境だからです。

 この場合、講師の役割は、会話内容をリードすることと、生徒の発音や文法上のミスを訂正することになります。

 生徒は、発言内容とその英語表現を瞬間的に考えなければならないため、猛烈に負荷がかかります。間違えて、恥もかきます。だからこそ、学習効率が非常に高い。

 母国語を話すにしても、芝居で台本を読むのと、全くのフリートークをするのでは、意味合いが全く違います。

 ところが日本では、英会話の授業やレッスンまで、台本を使って喋る練習をしている。これでは、武術家がプロレスの練習をするようなものです。

 中学・高校レベルの語彙と文法を押さえたら、後は、会話に関しては「実践経験あるのみ」ではないでしょうか。

 もちろん、実際の会話の中で「言いたいことがうまく言えなかった」とか「相手の言っていることがわからなかった」ということがあれば、勉強して次に活かす。外国語会話の能力を伸ばすためには、これが王道ではないでしょうか。

 母国語の会話を思い出せばわかると思いますが、"台本"がなくては会話ができないのなら、使いものになりません。

 そして、日本人が英会話だと思ってやっていることは、実は「英語の台本を正しい発音で読む練習」に過ぎないのではないでしょうか。だからこそ、いつまでたっても英語が話せない。

 まずは"台本"を捨てて、直に自分の言葉で英語を話してみる。これはまた、僕たちが母国語で会話ができるようになったプロセスでもあります。

 日本人が英語を使いこなすためには、こういう戦略の転換が必要だと僕は考えています。

 山田宏哉記



 2010.12.9 記事一覧へ戻る 文筆劇場・ト