ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2950)

 平直行(著)『身体感覚の宝島』覚書

 平直行(著)『身体感覚の宝島』(BABジャパン)を読了しました。

 学生時代の一時期、僕はブラジリアン柔術を習っていました(素質は全くと言っていいほどなかった)。平さんの名前を自然と知るようになりました。

 平さんは板垣恵介氏の漫画『グラップラー刃牙』の主人公としても知られています。

 本書によると、『グラップラー刃牙』の誕生のキッカケは、プロのシュートボクサーだった平選手が正道会館の全日本選手権に出場したことです。その記事を板垣恵介氏がたまたま目にしたようだ。ちなみに結果は、ベスト8入賞とのことです。

 さて、特に印象深かったのは、平氏が「練習で弱くなってから、僕は引退するまで試合で一度も負けてない」という話です。「練習で強いのに、試合で勝てない人」はたくさんいる。

 平氏の「練習相手は威張る相手じゃない。大切に丁寧に接しなければならない相手」という言葉は、言うのは容易いですが、実践するのは非常に難しそうです。

 なぜなら、積極的に格闘技をしようという男の内面は、飢えた狼みたいなものだからです。

 他にも、気になったフレーズがあるので以下、引用します。

 [引用開始]
 
 頭で学ぶ知識は、それ程役には立たない。その先を学ぶ事が学ぶって言う事なんだろうな。微妙なサジ加減を学ぶ事が学ぶ事なのかな。(P67)

 犯罪者って基本的に、身体が歪んでるって話を聞いた事がある。犯罪者の写真を見てみると基本的に身体に歪みがある。それも結構な歪みがある。身体の歪みが、心の歪みに繋がるのかな。たぶんそれは本当の事だと思う。(P127)

 [引用終了]


 ジムで同じことを同じように習っても、実力の伸び方は人それぞれになる。

 例えば、ボクシングにはパンチが4種類しかない(ジャブ、ストレート、フック、アッパー)。世界チャンピオンだからといって、何か特別な技を使っているわけではない。

 そのような中で頭角を現すためには、"微妙なサジ加減を学ぶ"ことが必要になる。そして、それは"頭で学ぶ知識"ではない。この辺りの話は、何も武術や格闘技に限った話ではないでしょう。

 また、「身体の歪みは、心の歪みにつながる」という箇所について、僕もその通りだと思っています。

 以上、文章は平易ですが、非常に考えさせられる内容でした。

 (1000字)
 
 山田宏哉記

Tweet

 2011.3.28 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ