ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2963)

 酒井穣(著)『はじめての課長の教科書』覚書

 酒井穣(著)『はじめての課長の教科書』(ディスカバー21)を読了しました。

 「居酒屋でしか聞けない暗黙知」が言語化されており、非常に腹落ち感がありました。日本企業で働く場合、課長と無縁で仕事は進められないので、課長の職務(公式、非公式を問わず)を理解することは非常に重要だと思います。

 私自身は、課長の下で働く末端社員ですが「課長は部下に何を望むのか」という視点から読むと多くの気付きがありました。

 以下、課長の下で働く部下の視点から見た重要な気付き事項を3点、列挙します。

 1.課長の最も重要な仕事は部下のモチベーション管理である。

 ということは「仕事への意欲が高い」ということが、優秀な部下の第一条件になるでしょう。これは常識に照らしても納得がいきます。

 他人の意欲を正確に推し量ることはできませんが、仕事の依頼を受けたとき「嬉しそうな顔をするか、嫌そうな顔をするか」というのは、意外と重要なポイントかと思います。
 2.中間管理職は部下にルーティン・ワークを徹底的に教え込み、ルーティン・ワークから外れる例外を素早く発見できる仕組みを作る必要がある。

 「仕事の基本はルーティン・ワーク(定型業務)」というのは、意外と見逃されていることのように思います。ルーティンで処理できない案件に関しては、中間管理職が責任を持って処理する。

 部下の視点からすると「ルーティン・ワークの習熟」こそが、まず第一に身につけるべき責務のように思います。その中で徐々に"例外"への対応能力も磨いていく。

 また、部下には自分では処理できない"例外"を発見したら、上司に報告する義務があります。当たり前のことですが。

 仕事の技量を磨く上では、これが王道であるように僕も思います。

 3.優秀な部下に協調性の大切さを教える

 本書によると、若手の優秀な部下は控えめに言っても生意気でトゲトゲしている。

 但し、人間としての成熟なしに昇進がありえるのは係長まで。大人にならない限り、それ以上の昇進はない。

 優秀な部下に対して「折角の才能を子どもっぽい態度で無駄にするな」と正しく伝えるのは、時間がかかり大変なことですが、上司の重要な役割です。これ、書いていてつらくなってきました。

 以上、「課長の教科書」となっていますが、組織で働く人にとって「かゆい所に手が届く」内容になっています。

 余禄として「良書を選択的に読む」ことが推奨されていますが、本書はその中の1冊に含まれるでしょう。

 (1000字)

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 山田宏哉記

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 2011.4.23 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ