ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2988)

2011年のいわき 原発作業員が泊まる温泉街をゆく

 一昨日(2011年5月28日)、福島県いわき市の湯本を探訪しました。

 震災ボランティアをしていると、度々、「いわき湯本に原発作業員が泊まっている」という話を耳にしました。もっとも、いわき駅周辺の宿泊施設も、原発作業員がかためて宿泊していると聞きます。

 「日経新聞」2011年5月13日付夕刊の記事に、「原発作業員泊めます、いわきの温泉街」という記事が掲載されています。以下、引用します。

 [引用開始]

 福島第1原子力発電所の事故現場で働く作業員らに、休息の場を提供する温泉街がある。原発から約50キロの場所にある福島県いわき市常磐湯本町の「いわき湯本温泉」。「一刻も早く事故を収束させるには彼らに頑張ってもらうしかない」と後方支援に当たる。

 午前7時過ぎ、まだ静まりかえっている温泉街を、男性ばかり乗せたバスが相次いで発車していく。乗っているのは、原発に向かう東京電力協力会社の作業員らだ。

 [引用終了]


 同記事によると、22軒の旅館に1200人の原発作業員が宿泊しているとのことです。

 そこで、実際の街の様子がどうなっているのか、実際に視察してきました。

【写真1】いわき湯本の温泉街


【写真2】湯本。人気が少なく、ゴーストタウンのような通り。


【写真3】原発作業員が宿泊している(たぶん)ホテル。


【写真4】湯本の駅舎と原発作業員と思われる集団。


【写真5】無料の足湯。背景には原発作業員と思われる人


 街の雰囲気は、事前のイメージとはだいぶ違った。原発作業員が所狭しと通りを歩いているかと思ったら、通りはゴーストタウンのように人気がなかった。

 一般の観光客らしき人は見当たらなかった。

  原発作業員が宿泊していると思われるホテルをみつけたが、部屋で干された作業着が目に付いた。

 旅館のウェブサイトを見たら「復興に向けご尽力いただいている工事関係の皆様」に利用頂くという文言があった。

 尚、「原発作業員らしい人」は日が暮れるにつれ、増えていった。ちなみに、彼らは私服の場合が多く、作業着は着ていない人が多かった(もっとも作業着姿の人もかなりいた)。

 会話内容から判断すると、ある原発作業員のグループは、いわき駅界隈に「遊び」に行くようだった。そして結構、女性関係のバカな話をして盛り上がっていた。

 きっと原発作業員たちは、仕事を終えると、湯本の温泉に浸かって、元気がある人は、夜、いわきに遊びに行くのだろう。

 原発作業員だって、何も聖人君子ではないと思う。仮に彼らがいわきのキャバクラでバカ騒ぎをしていたとしても、それくらいは大目に見るべきだろう。

 そんなことを思いながら、僕はいわき湯本を後にした。

 (1,200字)

 山田宏哉記

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 2011.5.30 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ