ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2990)

 震災ボランティア、"次の一手"を考える

 震災ボランティアが非常に貴重な経験であることは間違いない。書き手としても、実務家としてもプラスになる活動は、本当に貴重だ。

 社会人の方と一緒に震災ボランティアの作業をするのは非常に勉強になる。僕は普段、建築関係者や設備系の技師といった方々と一緒に仕事をする機会がないが、震災ボランティアでは一緒に仕事ができる。彼らの職業的な知恵に間近で接することで、得られる知見は非常に多い。

 実務家なら誰でも気付いていると思うが、「一緒に仕事をする」ことで初めて見える部分は非常に多い。

 僕は、ホワイトカラーのビジネスパーソンが「他流試合」や「研修」のつもりで震災ボランティアに参加するのは、充分に「あり」だと感じる。真剣に取り組めば実務レベルを1段上げられると思う。

 但し、震災ボランティア活動もいつかは終わる。なるべく長く続けたいと思うが、その時、次の一手をどう打つか。ここが勝負だと考えている。

 今のところ、以下の2つのことを考えています。
 
1.被災地のハローワーク探訪を追加

 昨日、福島県の某ハローワークに電話して土曜日に営業(10:00?17:00)していることを確認した。これを震災ボランティアの「次の一手」のひとつとしたい。

 同じ福島県民でも、震災ボランティアをする人と、震災でハローワークに通うことになった人では、事情が全く違うはずだ。これまで僕は、前者の明るい方々と接することが中心だったが、後者の「本当の被災者」とも接点を持ちたいと思う。

 ガレキを撤去したからと言って、街が復興するわけではない。それはあくまで前提条件だ。震災で職を失った人にとっては、雇用の方がより深刻で切実な問題である。僕は震災ボランティアと並行して「被災地のハローワーク探訪」も進めたいと思っている。

 美術館や博物館が「表の公共施設」だとしたら、ハローワークは「裏の公共施設」である。そこに行くのは「理由あり」の人間ばかり。しかも今は被災地の"失業率"もよくわからない。これは実際に行くしかない。

 もちろん、私が「福島の失業者」のフリをしてハローワークに行くのは反則で、なるべく迷惑にならないように配慮する。

2.たまには"戦場"を北上させる

 調べてみると、福島よりもより津波被害の酷かった宮城の石巻市や気仙沼市でも震災ボランティアを募集している。

 毎週これをやるのは時間的にも金銭的にも厳しいが、たまには別の"戦場"に行くのも良さそうだ。

 震災ボランティアとしてやる内容は、地域によって全く違うと聞く。3連休以上、確保できるときは、宮城の石巻や気仙沼辺りでも震災ボランティアをやりたいと思う。

 いずれにせよ、震災ボランティアの経験者はのべ人数で既に数十万人いる。だから、私での体験は、希少性はあまりない。経験の希少性を高めるためには、もう一押しか二押し、必要だと感じている。

 (1200字)

 山田宏哉記

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 2011.6.2 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ