ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (2999)

 被災地のハローワークをゆく 月給¥89,000の正社員

 先日(2011年6月11日)、再度、福島県いわき市のハローワークを探訪した。

【写真】いわき市のハローワーク。地震による被害を受けている。


 以下、新しく入った求人案件の月給の下限をまずは列挙する。

1.正社員の月給
(1)土木作業員          ¥169,600
(2)美容師見習い         ¥130,000
(3)スタイリスト           ¥170,000
(4)鮮魚販売            ¥140,000
(5)製缶工             ¥162,720
(6)清掃員              ¥89,040
(7)木工職人            ¥138,600

2.常勤非正規雇用者の月給
(1)土木設計アシスタント    ¥120,000
(2)倉庫作業員          ¥136,400
(3)農業               ¥100,000
(4)臨時警備員          ¥120,000

3.パート・アルバイトの時給
(1)組立工             ¥670
(2)ペットボトル選別       ¥700
(3)金融事務            ¥800
(4)マックデザインオペレーター¥657
(5)施術               ¥750
(6)裁縫               ¥700

 今週も厳しい労働条件の仕事が並んでいる。福島の地元紙に、震災で仕事を失った人の話として、「ハローワークの求人は給料が厳しすぎるので、一社も面接を受けていない」という声が紹介されていた。

 気持ちはよくわかるが、それでも蓄えが底をつけば、やらざるを得ないだろう。

 中でもとりわけ目を引くのが、月給¥89,000の清掃員(正社員)だ。勤務時間は9:00〜16:00。額面で月給10万円を切る正社員の募集は、初めて見た。

 東京でひとり暮らしを始めた学生の頃、僕もアルバイトで清掃員をやって生計を立てていた。7:00〜13:00で週5で働き、毎月の収入は11万円くらいになった。

 それでも、生活はカツカツで高田馬場の風呂なしトイレ共同のアパートを月¥36,000で借りての生活だった。

 正社員の清掃員で、これよりさらに月収が低いのは、さすがにあんまりだと思う。

 7:00〜10:00で週6で働くと、月収は約8万円だった。これだけで生活するのは、僕には無理だった。

 もっとも、掃除屋の仲間にはこれだけで生活する人もいるにはいた。毎食、ご飯と納豆だけの食事だったようだ。
 
 月給¥89,000の正社員。いくら被災地といえども、さすがにこれは厳しすぎる。

 (1,200字)

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 山田宏哉記

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 2011.6.7 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ