ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (3027)

 リーダーとフォロワーの循環

 リーダーとフォロワーは、どちらか一方だけで成り立つものではない。

 だからこそ、リーダーとフォロワーの立場は交互に経験すると、学習効果が非常に高い。震災ボランティアをしていて、僕はこのことを痛感する。

 リーダーを経験すると、フォロワーがどう振舞うのが望ましいかよく見える。また、リーダーを経験した後に、フォロワーを経験すると、リーダーがどう振舞うのが望ましいかがよく見える。この実践と学習の循環が大切なのだ。

 日本企業で新人に宴会の幹事などをさせたりするのは、何も雑用を押し付けているのではなくて「失敗してもいい場面で、リーダー体験をさせる」ためなのだ。

 一般的な成長モデルでは、「フォロワーから始め、成長したらリーダーになる」と考えられている。しかし、立場が固定化するため、行動もマンネリ化しやすく、実は学習効果があまり高くないように感じる。

 組織で働く場合、部下や後輩がいない立場だと、なかなかリーダー経験をするのが難しい。しかもそのために、部下や後輩がいる人との技能差が拡大する。

 言葉は悪いが、組織の下っ端で働く人は、震災ボランティアで現場リーダーとフォロワーを交互で経験したり、ウェブで読者を確保したりして、能力研鑽の機会不足を補った方がいいと思う。

 能力研鑽の結果、リーダーシップが身に付くというより、まずリーダーを体験し、それに必要な技能を身に付ける方が、現実的だし、効果も高い。

 特に「多様な人材のマネジメント」は、今後のビジネスパーソンには必須のスキルだと思う。そして、震災ボランティアのリーダーとフォロワーを循環的に経験することで、これに近い技能が磨ける、と僕は感じる。

 震災ボランティアを「失敗してもいい場面」に分類するのは語弊があるが、普段の生活の中で、活躍の機会が少ない人にとっては、これを活かさない手はないと思う。

 山田宏哉記

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 2011.8.8 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ