ジョン・スミスへの手紙
 サイバー・ラボ・ノート (3063)

 "顧客への貢献"か、"長幼の序"か

 ビジネスパーソンとして、僕にはよくわからないことがあった。

 僕の仕事を高く評価して下さる方がいる一方で、僕の仕事(というより人格)を殆ど評価しない方もいる。その違いが、よくわからなかった。

 社会人になって約3年間、僕は芳しい成果を出すことができなかった。それでも、かねてから僕の仕事を高く評価し、僕に一目置いて下さっていた方もいた。両者を分かつ基準が、何となくわかるものの、「好き嫌い」と曖昧に表現する他なかった。

 なぜ、自分に対する評価が分かれるのか。その核心部分がようやくわかった。

 僕を評価して下さる方の評価基準は、「顧客と組織への貢献度」に基づいている。一方、僕を評価しない方の評価基準は、「長幼の序の遵守度」に基づいている。

 たったこれだけのことに気付くために、随分とのた打ち回ることになった。

 僕はビジネスパーソンとして、「顧客と損益への貢献」を最も重視している。そして、これを当然のことだと考えている。

 そのために、1日あたり16時間を仕事と自主学習に投下してきた。本音を言うと、普通の人の数倍は努力してきたと思う。

 僕は、顧客と損益に貢献するためなら、多少の人間関係の摩擦は仕方ないと考えている。実際、「長幼の序」にあまり配慮しなかった(今もしていない)。

 「長幼の序」を墨守する人には、僕のこういう姿勢が勘に触ったのだと思う。

 実際、僕は「常識がない」「傲慢だ」「コミュニケーション能力がない」と言われ続け、人並み以下の評価しか受けるばかりだった。

 とはいえ、環境が変われば、評価基準も変わる。幸い、僕は「顧客と組織への貢献度」が評価基準の環境に移ることができた。そしたら実際、急に評価が上がった。

 行動様式が「顧客への貢献」のビジネスパーソンと「長幼の序」のサラリーマンがわかり合うのは不可能に近い。どちらが良いかも、一概には言えない。しかし、「どちらが勝つか」は自ずと明らかだと思う。

 その上で、ひとつの決断をしたい。

 僕は「行動様式が"顧客への貢献"になっている仲間のために働く」ことにしようと思う。

 行動様式が"長幼の序"の人に対しては、事務的な義務は果たすが、それ以上のことはしない。プライベートな付き合いも原則断ることにしたい。

 こうして浮かせた時間と労力を、行動様式が"顧客への貢献"の人と一緒に仕事をするために使おうと思う。

 「士は己を知る者のために死す」という。僕も自分を高く評価して下さる方のことを、最優先で考えたい。

 山田宏哉記

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 2011.10.29 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ