ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3196)

 基幹人材の条件  

 一口に仕事と言っても、重要なものもあれば、あまり重要ではないものもある。もう少し正確に言うと、事業への貢献度が高い仕事と、低い仕事がある

 単純な話、重要性の高い仕事ほど評価の高い人が担当し、重要性の低い仕事は、あまり評価が高くない人が担当する。

 成果主義のご時世ではあるが、実態としては、仕事をアサインされる段階で、既に勝負は付いている。大抵、各人に割り当てられる仕事の重要性の高低は、その人に対する評価の高低と一致する。

 では、仮に事業への貢献度が高い仕事を手掛ける人材を基幹人材と呼ぶとしよう。基幹人材になるための条件は何だろうか。

 一般的には「スキルがあること」だと思われている。だからこそ、巷にはスキルアップを目指す人がたくさんいる。でも、僕はこれは違うと思う。

 コア部分の仕事を担当するために必要なことは、「実績を出すこと」だ。

 たとえ若手でも、圧倒的成果を出し続ければ、コアの仕事が回ってくる。色々と研究を紐解くと、多くの日本企業は昔からこうだったとわかる。

 もっとも、日本企業の場合、若い頃はコア部分の仕事を担当しても、ノンコアの仕事を担当しても、処遇(昇進/昇給/賞与等)ではあまり差がつかない。これはノンコア人材の士気を維持する意味合いが大きいが、基幹人材が「天狗」になるのを防ぐ意味合いもある。

 コア部分の仕事を手掛けるのは、おそらく金銭的には割に合わない。責任が重い割に、ノンコアの仕事と報酬はたいして変わらない。

 仲間を食わせるために損な役割を引き受けるようなもので、「仕事の報酬は仕事」と考えられないと、きついところだ。

 大抵の日本企業では、コアの仕事をする人は、成果に見合う報酬を受け取っていない。仲間を食わせるために、報酬を遥かに上回る成果を出し、「それで良し」とする。そして通常、成果と受け取る報酬のギャップが大きいほど、「人望」が生まれる。

 「成果に見合った報酬が欲しい」という考えを否定はしないが、それでは成果を出せない仲間が路頭に迷うことになる。

 結局のところ、日本企業で基幹人材として働くためには「仲間の雇用を守るために、圧倒的なオーバーアチーブメント(報酬を上回る成果)を出す」という姿勢が必要になる。いや、姿勢だけではなく、実績が必要になる。

 ビジネスの世界では、成果以上の報酬を手にする人は軽蔑される。成果に見合った報酬を手にする人は、軽蔑されることはないが、尊敬されることもない。

 圧倒的な成果を出しながらも、成果に見合う報酬を受け取らない。仲間の雇用が守れれば、「それで良し」とする。私見では、この部分こそが、基幹人材の条件なのだ。

 山田宏哉記

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