ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3231)

 文字入力のスピード革命 はじめに「声」ありき

 この度、iPhoneでの文字入力に音声認識を導入することにしました。

 音声認識技術は、すでに充分に実用的に使えるレベルに達しています。その進歩の速さに驚きました。

 特にアドバンスト・メディアの音声認識技術は、漢字の変換がほぼ正確に行われます。

 『スマホは「声」で動かせ』を読んでわかったのは、この「単語の次にはこの単語が来やすい」と言ったデータベースを蓄積していることだ。そのため、文章書くようにしゃべれば、それがそのままテキストになります。

 音声認識技術は5年くらい前、PCで試してみたことがありました。その時の印象は「これは使い物にならない」。

 こちらの意図した言葉が変換されないし、編集にも時間がかかった。その後、すっかり音声認識技術からは離れてしまっていました。

 ところが、いまやiPhoneでの入力は音声認識が最も速い。もう、iPhoneで、高速入力をわざわざ練習する必要はありません。しゃべるだけでいいのです。

 キーボードによるローマ字入力だと、1音を出力するのに打数が2つ必要です。その上で、別途、漢字変換する必要もあります。

 しゃべるスピードでキーボード入力ができる人は、ほとんどいないでしょう。

 従って、文字入力のスピードを追求すれば、音声認識技術に行き着きます。ただ、話す内容が「あうあうあう」では、仕方ありません。「文章書くように話す」というスキルが、これまで以上に大切になりました。

 ただ口述筆記は、ただしゃべるだけなので、眼があまり疲れません。なにかと目を酷使する現代生活において、これは大きなアドバンテージだと思います。キーボードを叩くことで「仕事をしたつもり」になるのは、ただの自己満足でしょう。

 更に言うと、「声に出して言えないことは、文字にならない」こともメリットのひとつです。僕は殊更、言文一致を唱えるわけではないけど、モラルの問題として、口に出して言えないことは、書くべきじゃないと思います。

 確かに、液晶画面上にあらわれるソフトウェアキーボードは画期的でした。但し、キーボードによる文字入力は、乗り物で言えば「車輪の乗り物」に相当します。

 車輪の回転速度には一定の限度があり、それが「車輪の乗り物」のスピードの限界です。

 そして、音声認識技術による文字入力は、皆が地上で「車輪の回転速度」を競っている間に、飛行機を開発したような技術革新です。

 そもそも論になりますが、言葉は口から発するものです。

 はじめに「声」ありき。いつのまにか、人間は文字を書くために手を使うようになりましたが、手を使わずに文字を書けるのであれば、それに越したことはありません。

 山田宏哉記

【関連記事】
アウトソーシング時代の働き方(2012.12.8)
「飽きないこと」を仕事にする(2012.12.2)
ビジネスに活かす優先的選択(2012.11.27)
もしも世界が男女10人ずつの高校の教室だったら
(2012.11.25)
"ホームレス転落"という悪夢 (2012.11.24)
映画『シルク・ドゥ・ソレイユ』に学ぶ人材配置 (2012.11.18)
シュートを打つ人、パスに逃げる人 (2012.11.17)
若さゆえの飢餓感 (2012.11.17)
動物王国としての実社会 (2012.11.11)
人生を語る不誠実さ (2012.11.11)
映画『009 RE:CYBORG』覚書(2012.11.4)
なぜ、経歴を詐称するのか(2012.11.3)
愛は地球を救えない(2012.10.24)
労働貧困層と生活保護(2012.10.22)
ルサンチマンのある人生(2012.10.18)
世界は"不本意な職業"で溢れている(2012.10.15)
不本意な職業を受け入れる(2012.10.13)
僕たちは「格差社会」を望んだ(2012.9.24)
「人間好き」のファシズム (2012.9.17)
強者はデモに参加するか(2012.9.15)
撤退戦としての介護(2012.9.1)
「仲間外れ」の構造(2012.6.26)
反知性主義の国・日本(2012.6.24)
日本人の7割には、中学の教科書レベルの知識もない
(2012.6.23)
読書を実務に活かす暗黙のプロセス (2012.6.23)
教職に逃げる大人たち (2012.6.21)
あの人が嫌われる理由 (2012.6.4)
最近の若者はバカばかり(2012.5.26)
「カネのため働く」という建前(2011.12.25)



2012.12.8 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ