ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3238)

 iPhoneの防水ケースと家電量販店の終わり  

 昨日、iPhoneの防水ケースをAmazonで注文した。早速、本日届いたので、使い始めた。

 湯船につかりながらしゃべったことが、音声認識によりテキスト化され、ウェブに投稿される。控えめに言って、これは革命的な生産性につながることを痛感した。

 さて、僕は当初、iPhoneの防水ケースを近所の家電量販店で買おうと思った。

 フロアが7階分くらいあり、更にツインタワーのように生活館とデジタル館が建ち並んでいる。要するに売り場面積が広い。

 Amazonで調べたらところ、防水ケースは何種類も出ていた。

 ところが、スマートフォン関連の売り場で探してみても、見つからない。どうでもいいものはたくさんあるが、肝心なものが見つからない。

 その挙句、近くの店員に、防水ケースを取り扱っているか尋ねたところ、普通のケースを指差して、「iPhoneのケースに防水の機能はありません」という回答をいただいた。僕は唖然としてしまった。

 なぜ、iPhone の防水ケースの存在も知らないような人が、家電量販店のスマホ関連グッズ売り場の店員をやっているのだろうか。リアル店舗がアマゾンに勝つためには、店員の商品知識が生命線だというのに、これだ。

 こういう店員の人件費も商品価格に上乗せされていると考えると、Amazonとの格差は広がるばかりだ。

 家電を販売する「街の電気屋さん」、家電量販店、Amazonのうち、生き残るのは「街の電気屋さん」とAmazonだと思う。

 街の電気屋さんは価格は高めだが、細かい要望に対応できる。Amazonは細かいサービスには期待できないが、価格は安い。家電量販店はどちらも中途半端だ。

 「日経ビジネス」の記事によると、Amazonの家電「販売価格」は、大手家電量販店の「仕入れ価格」を下回るケースすらあるらしい。いまや家電量販店は「Amazonのショールーム」になりつつある。

 僕自身、数年前から、家電量販店より、Amazonの方が価格が安いことには気づいていた。

 それでも、「リアル店舗で商品を見て、価格の安いアマゾンで注文する」というのは、どこか仁義に反すると思っていた。この気持ちは今でもある。

 それでも、iPhone の防水ケースに対する取組みを見ると、家電量販店には、「顧客のニーズを的確に読み取る能力も情熱もない」と判断せざるを得ない。

 正直、家電量販店は終わっていると僕は思う。

 山田宏哉記

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2012.12.25 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ