ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3248)

 体罰の是非と体罰教師の思い出   

 詳細は伏せるが、小学校から高校までの間で、僕自身が直接的に関わった体罰教師は2人いた。

 偶然にも、どちらも顕著な身体的な特徴を持っていた。そして、いずれも自分の感情をコントロールできていなかった。おそらく本人は、自分の身体的な特徴に劣等感を持っていたのではないか、と思う。

 ある時、クラスメイトのM君が、職員室で体罰教師に派手に平手打ちをされた。

 理由は「忘れ物をした」とか、その程度のことだ。M君の受け答えが、あまりーハキハキしていなかったこともあると思う。僕はちょうどその場面を目撃していて、体罰教師に反発を覚えたものだ。

 M君に平手打ちをした体罰教師は、忘れ物に厳しかった。僕自身も、忘れ物をして、教室の前で正座させられた経験がある。

 体罰教師に派手に平手打ちをされたM君はその後、立派な青年に育ったか。答えはノー。むしろ、道を踏み外していった。

 体罰教師がM君に平手打ちをしたのは、その身体的特徴ゆえに「生徒に舐められてはいけない」と感じていたからではないか、思う。

 またある時、諸般の事情があり、僕は体罰教師のご自宅に伺ったことがある。体罰教師はいい歳をしながら独身で、親と同居していた。そして自室は、あるジャンルのマニアックな商品で満ち溢れていた。

 「いい歳した学校教師が、こんな生活をしているのか」というのが、率直な印象だった。

 さて、僕はそもそも、学校教師に「体罰してでも教えなければならない何か」は原則ないと思う。

 体罰を用いても良い例外状況は、「傷害等の現場で、被害者生徒を守るため、加害者生徒を制圧する場合」だけだ。

 教師の言うことを理解できない生徒は、おそらく放置するしかない。生徒の行為が法律や校則に違反する場合は、規則をもとに停学や退学処分を下すのが適当だ。いずれにせよ、体罰の出る幕ではない。

 但し、予め「体罰による指導」を公言し、保護者も生徒も納得の上で入学していれば、そういう学校があってもいいかもしれない。

 実際、学力底辺層が集まる「動物園のような学校」は、教育機関というより「収容施設」と化している。こういう場合は、"動物たち"を少々荒々しく調教する必要はあるかもしれない。

 それでも、一般の学校で跋扈する体罰教師は、単純に職務遂行能力が低いケースが多いと思う。自分の言うべきことを言語化できないから、体罰に頼るのだろう。

 体罰教師は学生時代の体育会系のノリのままで、仕事をしているのではないか。実社会を知らないが、能書きだけは一人前。

 「お前のためを思っているんだ!」とか言いながら、女子生徒に酒を飲ませてホテルに連れ込んでたりして。

 いずれにせよ、通常の授業や部活動の範囲では、教師に体罰をする義務も権限もないと僕は思う。

 山田宏哉記

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