ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3253)

 公務員の"駆け込み退職"騒動の本質   

 公務員の"駆け込み退職"が騒動になっている。

 「駆け込みで退職した方が、退職金が多い」ために、職務を途中で放棄する公務員が続出していることが、問題になっている。

 結論めいたことを言うと、公務員は「カネのために、嫌々仕事をしている」人が多いのだろう。

 「晩節を汚す」とは、まさにこのことだ。しかも、その差額が、たかだか数十万円というのだから、何ともケチくさい。

 もちろん、誰しも「カネのために働いている」という面はある。しかし、同時に職業人として譲れない一線も持っている。駆け込み退職する公務員には、仕事の上で守るべき一線があるのだろうか。

 公務員は「公共のため」という高い使命感を持っているとされるが、その内実は「退職金の計算をして仕事を投げ出すような小市民」というケースも多いことが露呈した。

 公務員には、"損益への責任"がない。

 私見では、損益に責任を持つことで、ビジネスが一気におもしろくなり、能力は飛躍的に向上する。

 "損益への責任"がないことは、公務員に高い使命感をもたらすどころか、逆に勤労意欲と実務能力の低下を招いていると思う。

 損益への責任が問われない環境では、内輪向けの人事抗争に労力の大半を使うことになる。大学のサークルや体育会系をイメージするとわかりやすい。

 組織で働く以上、この種の力学に対応するのは必要ではあるが、あまり生産的なことではない。

 ちなみに、株式投資をしていると、否応なしに「損益への責任」が問われる。損益への責任があると、新聞の読み方ひとつとっても、全く違ってくる。

 もっとも、公務員教師などが、たかだか30万円のために学校の担任を途中で放棄するのは、個人的には驚くことではない。そもそも彼らは、実社会で働くことから逃げて、公務員なり教員になったのだ。

 但し、退職金の計算をして職務を途中で放り出すような教師は、生徒の職業観にも悪影響を与える。生徒たちが、この程度の責任感で実社会で働けると誤解したら大変だ。

 いずれにせよ、たかだか数十万円の私腹を肥やすために、職務を放り出すような三流の人間に、人生の先輩ヅラして説教されたくはないものだ。

 山田宏哉記

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2013.1.26 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ