ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3269)

 なぜ、あの人は「本を読むバカ」なのか       

 大量の読書をしていても、あまり頭がよくない人がいる。ウェブの普及によって、そういう人の存在が可視化されるようになった。

 昔から、「本を読むバカは始末に負えない」という趣旨のことが言われてきた。

 私見では、「本を読むバカ」には、以下のような特徴がある。日常的に読書をする人は、多少、留意して置いた方が良いかと思う。

1. 自分の主義主張に沿う本しか読まない
2. 読書量を自慢する
3. やたらと「必読書」を列挙する

1. 自分の主義主張に沿う本しか読まない

 「自分は正しい」という信念がまず先にあって、それを確かめるために読書をする人は、結構いると感じる。

 しかし、何かの争点に対して、「賛成」「反対」のどちらか一方の論ばかり読んでいては、思考力が鍛えられない。これでは偏見ばかりが強化され、視野狭窄に陥る可能性が高い。

2. 読書量を自慢する

 読書量は、何の自慢にもならない。「本を読むバカ」は、これを理解していない。

 そもそも、読書の位置付けは、「経験の補完物」になる。「本来ならば、実際に自分で経験すべきところを、時間や空間の都合上、仕方なく活字を通して、情報を収集する」のが読書という行為だ。

 物事を判断する際の材料は、なるべく自分の実経験の比率が高い方が望ましい。読書量を自慢するのは「この蕎麦には、つなぎ粉が多い」と自慢するのと同じことだ。

3. やたらと「必読書」を列挙する

 私見では、やたらと「必読書」を列挙する人は、才能を持つ人に対する嫉妬している。
読書には一定の時間がかかる。

 「読書するバカ」は、「この問題を論じるためには、関連書を最低1,000冊は読まなければならない」みたいな言い草で、才能ある人の口を封じたいだけだろう。

 金髪で有名なヤンググローバルリーダーは、年間2,3冊の本しか読んでいないそうだ。それでも、堂々と本や有料メルマガを書いている。「大量の読書をしなければ、社会で活躍できない」なんて、所詮は幻想だ。

 読書には、プラスの側面もあるが、マイナスの側面もある。

 端的に言うと、読書の短所は、自意識と自己顕示欲が肥大化し、独善に陥りやすいことだ。

 一歩間違うと、変な"使命"に目覚めて、特定の政治勢力のプロパガンダを喚き散らしたり、"悟り"を開いて、カルト教団の教義を説くようになってしまう。

 周囲の人は大いに迷惑しているのだが、本人だけは「"真実"を知っているのは、自分しかない。周りの奴らは、哀れなほど現実を知らない。"真実"に目覚めた自分が、彼らを啓蒙しなければならない」などと悦に浸っていたりする。

 もちろん、「哀れなほど現実を知らない」のは、「本を読むバカ」の方だ。

 山田宏哉記

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2013.3.26 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ