ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3272)

 加熱相場と"宴の終わり"       

 2012年の11月から2013年の3月にかけて、日本は円安株高に沸いた。

 それまで僕は、株で10万円以上、含み損をかかえていた。「これから上がる」と思って買った株が、ことごとく値下がりしていた。

 12月の連日の株価の値上がりで含み損は解消し、結構、ヘマをやったものの、損益はプラスに転じた。この頃は、本当に「株を買えば、上がる」という状況だった。

 2013年の1月も、連日の株価上昇が続いた。1月は20万円強の利益が出た。おそらく、株が本当においしかったのは、おそらくここまでだ。

 異変が起きたのは、2月だった。2月中旬に、かなり強い調整が入った。1週間で約10万円の評価損が出た週もあった。2月も20万円強の利益が出たが、これは結構危なかった。

 3月は更に危なかった。配当の権利確定日があるので、株価が落ちることはなかったが、個人的にはヒヤヒヤすることが多かった。

 3月には、配当の権利確定分を除いて、約44万円の利益が出た。1月、2月と比べても、大きく稼ぐことができたわけだが、株式市場はギャンブル性を増し、相場の筋は確実に悪くなっていた。

 4月に入り、いきなり初日に13万円強の評価損が出た。今年に入り、最大の下げ幅だった。翌日に大幅に手仕舞いしたが、この日も約7万円の損失が出た。4月の2日間で約20万円の損失だった。

 おそらく、加熱相場では「勝っているうちに、止める」のが、肝だ。僕は、一旦、ポジションを大幅に縮小し、手元にキャッシュを戻すことにした。

 4月の20万円の損失を合算しても、今年に入ってから約65万円の利益が出た。配当の権利確定分を合わせれば、約70万円になる。

 僕にとっては、破格の好成績だ。宴は楽しかった。無理に深追いをする必要はない。

 よく感じることだが、一般の週刊誌が「株を買おう」などと煽り始めたら、「宴の終わり」は近い。マスコミが株式投資の特集をする頃には、既に危ない局面に差し掛かっていた。

 過熱相場は「ババ抜き」に似ている。最後にジョーカーを握っている人は、「市場の制裁」を受けることになる。

 2月、3月の過熱時期に株を買った人は、かなりの確率で損をしていると思う。特に、今回は、配当・優待目当てに権利確定日直前で株を買った個人は、大打撃を受けたはずだ(こういうことは、殆ど報じられない)。

 日経平均は、4ヶ月で4割上昇したが、本来は1年で4割の上昇でも、驚異的なパフォーマンスだ。僕の買った銘柄も、1ヶ月で株価が2倍、3倍になったが、この上がり方はさすがに危険だと感じていた。

 個人的には、近々、加熱相場を「宴の終わり」が直撃すると予想しているが、中長期的には、日本企業の株価は上がると思っている。但し、そのペースは今より緩やかになるはずだ。

 山田宏哉記

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