ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3280)

 仕事が好きな人、嫌いな人      

 仕事に対する基本的な姿勢に違いがあると、些細なことでも、イライラしてしまいがちだ。

 例えば、「言われたこと以外は絶対にやらない」などの言動には、イライラする人も結構多いだろう。一方で、「細かい指示がないので仕事にならない」とイライラする人も結構いると思う。

 仕事の頼み方ひとつとっても、「口頭でOK」の人もいれば、「上司を通して正式な書類で」と言うタイプの人もいる。

 この辺は、職場や企業文化による差も大きく、実際に働いてみないとわからない。

 しかも、多くの人が「自分の基準が当たり前で正しい」と思い込んでいるので厄介だ。

 「職場の人間関係は難しい」と感じる人が多いようだが、案外、仕事に対する基本的な姿勢に違いに起因するイライラの積み重ねに原因があると思う。

 さて、仕事に対する基本的な姿勢とは、突き詰めて言えば、「仕事が好きか、嫌いか」に行き着くと僕は思う。

 ここで必要なのは、「仕事が嫌いな人は、自己実現のために、仕事を好きになりましょう」という話ではない。

 「仕事の好き嫌い」は、滅多なことでは変わらない。仕事嫌いな人を仕事好きに変えるのも、その逆もできない。

 仕事好きの人には「事業規模の拡大」や「新分野への挑戦」みたいな言葉が訴求力を持つし、仕事嫌いな人には「工数の削減」や「楽になる」みたいな言葉が訴求力を持つ。

 組織で働く上で、自分の仕事を円滑に通そうと思ったら、相手の仕事観によって、語り口を変えるのが不可欠になる。

 "仕事が好きな人"と"仕事が嫌いな人"は、相性が悪い。そして、組織で働く上では、どちらのタイプの人とも、うまくやっていく必要がある。

 今更気付いたが、一目置かれるマネジャーは、自分の"仕事観"を一旦脇に置いて、部下の仕事観に合わせて、仕事の振り方を変えている。

 仕事嫌いな部下には逐一、細かい指示や助言をする一方、仕事好きな部下には「よろしく」と丸投げにしたりする。

 結果的に、その方が組織全体の成果が大きくなるし、それがマネジメントなるものの重要な役割のひとつなのだと思う。

 個人的には、仕事は好きでも嫌いでも構わない気がする。

 もちろん、「仕事が好き」と言える方が望ましいが、現実には「生活費のため」と割り切って淡々と働く人もたくさんいる。

 大切なのは案外、自分自身の価値観を絶対視せず、どちらの価値観にも配慮することではないか。

 山田宏哉記

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