ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3305)

 就職活動の勝敗は10歳の頃に決まっている

 一般的には「大学時代をどう過ごすか」で就活の成功と失敗が分かれると考えられている。

 大学の3年になる頃には、就職活動を意識し、どれだけ自己分析や面接の対策を一生懸命やるかで、就職活動の結果が左右されるようなイメージがある。

 建前としてはそうだが、本当は違う。「10歳〜18歳までの期間をどう過ごしたか」で大方の勝負は既に着いている。

 10歳の頃から、学校の教室内で「上位グループ」に属した人は、健全な自尊心を育み、就活でも成功する。一方、下位グループに属した人は、いじめられたりして、陰気で卑屈、消極的になり、就活でも残念な結果になる。

 端的に言うと、企業が欲しがるのは、素直で健全な自尊心を持った人だ。『ちびまる子ちゃん』の大野君や杉山君のようなタイプだと言えばわかりやすい。

 一方、企業が敬遠するタイプは、陰気で卑屈な人物だ。『ちびまる子ちゃん』で言えば、藤木君や永沢君のようなタイプだ。 企業は慈善団体ではないので、わざわざ「負け犬」を雇わない。

 単純に言えば、10歳の頃から「勝ち組」として生きるか、「負け組」として生きるかで、企業が欲しがる人材とそうではない人材に振り分けられてしまう。

 僕が言うのも何だが、10代を通して、最も大切なことは「健全な自尊心を育むこと」だと思う。就職やその後の職業人生においても、これが大きくものを言う。

 「自尊心」と言うと、「本人の気持ちの問題」と思われそうだが、僕はむしろ「他人からの評価の問題」だと思う。本人が「さぁ、自尊心を持つぞ」と決意しても、成果が認められなかったり、異性から相手にされなかったりすれば、やはり健全な自尊心は持てない。

 健全な自尊心を育むためには、スポーツで活躍したり、良い成績を取ったり、異性と交際したりするなど、何らかの形で、自分が評価に値する人間であると実感すること(天狗にならない範囲で)が不可欠だ。

 『ちびまる子ちゃん』の藤木君や永沢君が一生懸命に就職活動をしても、おそらくあまり良い結果は得られないだろう。それは、彼らが健全な自尊心を持っていないからだ。負け犬オーラが染み付いてしまっているため、いくら努力しても報われない。

 それでは、10代の頃、健全な自尊心を育むことができなかった人はどうなるか。「ルサンチマンを抱いて世の中を逆恨み」「愛国者に転落」「新興宗教や過激派政治運動に逃避」「世捨て人」「秋葉原で通り魔事件」「電車にダイヴ」など、自尊心を失った敗者の不幸は様々だ。

 余談になるが、"愛国心"というのは、自尊心が満たされない時に取り憑かれる、病気のようなものだ。受験に失敗したり、仕事を解雇されたり、異性にフラれたりして、自尊心が傷付く時、防衛本能として「日本人としての誇り」が立ち上がる。

 世の中には「褒められる・評価される→健全な自尊心が身に付く→魅力的になる→更に褒められる・評価される」という良いサイクルが回っている人と、そうではない人がいる。

 私見では、このサイクルは、10歳くらいで確立して、その後はなかなか変化しない。

 それでも、定期的に人間関係がシャッフルされるチャンスはあった。中学進学、高校進学の際に人間関係は大きく変わるし、マイナーチェンジとして、毎年、クラス替えがある。

 大人に言っても遅い気はするが、本当はこのようなチャンスを活かして、学校の教室内で「上位グループ」に食い込むべく、努力すべきだった。

 あまり公言されることはないが、就職活動の成功と失敗を分ける鍵は、案外、こういう部分にあると僕は思う。

 山田宏哉記

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2013.10.25 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ