ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3314)

 靖国神社参拝に一言 - 東京裁判と契約の重み -   

 結論から言うと、私は、日本の政府閣僚(公人)が靖国神社に参拝するのは、外交上、不適切な行為だと考えている。

 こういうと、勝ち誇ったように「東京裁判は勝者の裁判」とか「東京裁判史観」などと言い出す人たちがいるので、「契約の重み」について、一言、言っておきたい。

 日本人の感覚とは別に、世界史としてみれば、「東条英機らは戦争犯罪人」ということで、歴史的評価が既に確定している。

 先の戦争で、日本は無条件降伏を受諾し、サンフランシスコ講和条約で、東京裁判の内容を受諾することで、各国との戦争状態を終結させた。

 言い換えれば、国際社会への復帰と引き換えに、日本は国家として正式に「戦争犯罪」を認めた。

 他者との交渉と契約で決まったことについて、場末の酒場で「あれはおかしい」とか言い立てるのは、愚かである。

 戦勝国が敗戦国を裁けば、不公平になるに決まっている。いくら不公平でも、戦争に負けるとはそういうことだ。

 東京裁判の結果の受諾が不服なら、サンフランシスコ講和条約に調印すべきではなかった。

 契約した以上、その契約には従う義務がある。また、一度成立した契約は、一方的に取り消すことができない。

 従って、日本に、東京裁判の正統性に異議を申し立てる権利はない。

 過ちを認めて他国から許してもらったのに、後になって「やっぱり俺たちは悪くない」とか「東京裁判は不公平」とか言い出すのは、他国との取り決めを無視した暴挙である(これは、実際に日本が戦争で悪事を為したかどうかとは関係ない)。

 日本の公人が"戦争犯罪者"が祀られる靖国神社に参拝すれば、他国から「日本は"戦争犯罪"を反省していないのではないか」と見做されるのは、仕方がない。

 また、そう疑われる振る舞いである以上、自粛するべき類のものなのだ。

 山田宏哉記

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