ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3320)

 プロジェクトで成果を出す 

  僕の実感では、プロジェクトは、通常の定型業務より、成果を出しやすいと思う。

 目的が明確で、メンバーが最適化されているからだ。

 通常の定型業務とプロジェクトの本質的な違いは、「繰り返し処理」の有無にある。通常の定型業務には「終わり」がないが、プロジェクトには明確な「終わり」がある。

 日常の定型業務は、メンバー全員に対して、ある程度公平に振り分ける必要がある。人数も、多過ぎたりする。そのため、本当は自宅待機をしてもらった方が良い人にも、仕事を割り振らなければならない。

 また、日常の仕事はどうしても、組織と雇用を維持するため、「自分の存在意義をアピールする」という色彩が強くなる。いろいろな配慮が必要で、成果そのものに集中しにくい。

 一方、プロジェクトは適任者をメンバーに選べば良い。プロジェクトは企画やメンバーを選ぶ段階で、実力で篩いにかけられる。これがいい。

 当然、声がかかる人と、声がかからない人に分かれる。余計な人に配慮しなくて良いからこそ、プロジェクトは成果が出しやすい。

 昨今、「コンピュータが人間の仕事を奪う」ということが盛んに言われるようになってきた。この問題についても、自分の仕事を確保する上で、プロジェクトは重要だと思う。
コンピュータは「繰り返し処理」に強い。逆に言えば、1回性の案件(=プロジェクト)には弱い。

 自分の仕事を、繰り返し処理中心の「定型業務型」から、1回性の案件で勝負する「プロジェクト型」に切り替えれば、「コンピュータとの競争を避けられる」と僕は思う。

 外資系のコンサルティング会社などであれば、プロジェクトにアサインされない人は、会社を辞めざるを得ないようだ。日本企業はそこまで厳しくない。

 プロジェクトにアサインされなくても、日常の定型業務をするだけで、会社にいることができる。

 従って、日本では「プロジェクトのメンバーになりたい」という競争が、比較的緩い。組織の中で頭角をあらわせば、声もかかりやすくなる。プロジェクトの適任者は、基本的に「仕事の報酬は仕事」と考える人だ。

 小型のプロジェクトであれば、自分で企画して、自分ひとりでやってもいい。提案して採用されれば、堂々とひとりでプロジェクトをやる権利を得られる。

 競争がゆるい割に成果を出しやすいので、仕事志向の人は、「プロジェクトで成果を出す」と意識すると良いと思う。

 山田宏哉記

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