ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3336)

 大物プロブロガーが本当に伝えたいたった1つのこと

 大物プロブロガーのI氏が書いた記事をいくつか読む機会があった。

 申し訳ないが、どの記事も、大しておもしくなかった。また、知識や情報としても、有益ではなかった。率直に言って、わざわざ読む価値はないだろう。

 大物プロブロガーは、一見、色々な記事を書いているが、彼が本当に伝えたいことは、実はたった1つだけだ。

 「俺様はクリエイティブで優秀」。

 ただ単に、「俺様はクリエイティブで優秀」と言いたいがためだけに、手を変え品を変え、記事を書いているわけだ。

 プルーブ ワンセルフ(prove oneself)という言い方がある。「自分が有能だと誇示する」くらいの訳だ。

 大物プロブロガーは、プルーブ ワンセルフに終始している。どの記事も「俺様はクリエイティブで優秀」と13字に要約できる。

 単純な話、成果や実績さえあれば、別に有能さを誇示する必要などない。わざわざ有能さを誇示しなければいけないのは、成果や実績がないからだ。

 プルーブ ワンセルフをする人は大抵、ストレス耐性が弱く、実務では使えない。仕事そのものより、個人的な「能力の誇示」や「自尊心の回復」を優先するからだ。

 自分のことを振り返っても、僕は成果を出せなかった時期ほど「有能さの誇示」に傾斜した。仕事そのものより、自分が「価値のある人材」であることを示す方が、優先度が高くなった。

 もちろん、「俺は凄い」「自分は有能」と誇示するのは自由だ。

 但し、こういう話は、読者にとって、どこがどう有益なのか。内容的にもつまらないし、読む側にとってのメリットは何もない。信者にとっては、教組の自慢話が生きる糧になるのかもしれないが。

 「有能さの誇示」に夢中になるのは、現実には、低い評価しか得られていないからだ。傷ついた自尊心を取り戻すために、自分で自分を褒める。

 それが悪いとは言わないが、少なくとも、公共の場所に書き散らすことではない。

 「俺様は優秀」と誇示することが最優先の人は、公共の場で吐いている酔っ払いと変わらない。周囲をうんざりさせていることに自覚がなく、単に吐きたいから、吐いているだけ。無自覚に自分の評価と信用を落としている時点で、既に無能なんだよ。

 大物プロブロガーも、この際、正直に「僕は職場で浮いた存在で、周囲から疎まれていた。能力も認めてもらえなかった。結局、人間関係でトラブルを起こして、追い出された」と認めれば、読む価値のある記事を書けると思うのですけどね。

 山田宏哉記

【関連記事】
時間を売るポジションと人材マーケットの論理(2014.3.1)
有料メルマガにみるドヤ顔ノマドの限界(2014.2.24)
「雇用のミスマッチ」を考える(2014.2.22)
「勝ちが勝ちを呼ぶ、負けが負けを呼ぶ」という構造(2014.2.20)
なぜ、会議に貢献できないのか(2014.2.13)
出張で成果を出す(2014.2.10)
プロジェクトで成果を出す(2014.1.25)
長時間残業が減らない本当の理由(2014.1.11)
仕事がなくて暇な会社員(2013.6.30)
「上司に相談します」が口癖の担当者(2014.2.1)
個人主義者は会社勤めできるか(2014.1.26)
日雇い派遣に学ぶプロジェクトの本質(2014.1.18)
誰が"面倒な雑用"をするべきか(2013.12.30)
タクシーに未来はあるか -業界復活の切り札-(2013.12.21)
TV電話が普及しない本当の理由(2013.12.7)
就職活動の勝敗は10歳の頃に決まっている(2013.10.25)
『ちびまる子ちゃん』で学ぶ「教室内カースト」(2013.10.20)
なぜ、日本人の7割には中学レベルの知識もないのか(2013.9.22)
勤労の美徳と資本主義の強欲 (2013.9.21)
ウェブへの上場と不特定多数による評価 (2013.9.16)
仕掛けと手仕舞いの仕事論 (2013.8.31)
"この世にいらない人間"と動物的本能の暴走 (2013.8.20)
人間的魅力の効用と限界 (2013.7.28)
勤勉という美徳の終わり(2013.6.30)
勉強で得られる知識は、価値が低い(2013.6.22)
仕事が好きな人、嫌いな人(2013.6.1)
仕事に"専門的な知識と能力"は必要か(2013.4.27)
ビジネスでは、あまり努力しない方が良い理由(2013.4.20)
誰が「腐った人材」を養うのか(2013.4.13)
「パンを分け合う仲間」としての会社(2013.3.30)
なぜ、あの人は「本を読むバカ」なのか(2013.3.26)
「やればできる」の仕事論(2013.3.23)
なぜ、ユニクロの離職率は高いのか(2013.3.16)
若者よ、貯金は止めた方が良い(2013.3.12)
英語公用語化の真意(2013.3.9)
薄給の時代 、副業の損得勘定(2013.3.2)
株で勝つのが難しい理由 (2013.3.2)
残業を良しとする"村の論理" (2013.2.24)
お金を稼ぐ力、組織を泳ぐ力(2013.2.16)
「みんな」という名の不審人物(2013.2.9)
リスクヘッジとしての株式投資(2013.2.2)
勤労の国の幸福なサラリーマンたち (2013.1.27)
公務員の"駆け込み退職"騒動の本質(2013.1.26)
株式投資の「究極の目標」とは何か(2013.1.23)
シャープ株の売買で気付いたこと(2013.1.17)
"試練の場"としての株式投資(2013.1.14)
中村淳彦(著)『職業としてのAV女優』覚書(2013.1.4)
読書の費用を回収できるか(2013.1.4)
いかに「読むべき本」を確保するか(2013.1.4)
"紙本主義"の終わりとアマゾンのキンドル生態圏(2013.1.1)
信仰告白のビジネスモデル (2012.12.29)
iPhoneの防水ケースと家電量販店の終わり(2012.12.26)
なぜ、デートでサイゼリヤに行ってはいけないのか?
(2012.12.22)
ペニーオークション詐欺の教訓(2012.12.22)
汗で稼いだ一万円、投資で稼いだ一万円(2012.12.19)
実務に活かす株式投資(2012.12.15)
アウトソーシング時代の働き方(2012.12.8)
「飽きないこと」を仕事にする(2012.12.2)
ビジネスに活かす優先的選択(2012.11.27)
もしも世界が男女10人ずつの高校の教室だったら
(2012.11.25)
"ホームレス転落"という悪夢 (2012.11.24)
映画『シルク・ドゥ・ソレイユ』に学ぶ人材配置 (2012.11.18)
シュートを打つ人、パスに逃げる人 (2012.11.17)
若さゆえの飢餓感 (2012.11.17)
動物王国としての実社会 (2012.11.11)
人生を語る不誠実さ (2012.11.11)
映画『009 RE:CYBORG』覚書(2012.11.4)
なぜ、経歴を詐称するのか(2012.11.3)
愛は地球を救えない(2012.10.24)
労働貧困層と生活保護(2012.10.22)
ルサンチマンのある人生(2012.10.18)
世界は"不本意な職業"で溢れている(2012.10.15)
不本意な職業を受け入れる(2012.10.13)
僕たちは「格差社会」を望んだ(2012.9.24)
「人間好き」のファシズム (2012.9.17)
強者はデモに参加するか(2012.9.15)
撤退戦としての介護(2012.9.1)
「仲間外れ」の構造(2012.6.26)
反知性主義の国・日本(2012.6.24)
日本人の7割には、中学の教科書レベルの知識もない
(2012.6.23)
読書を実務に活かす暗黙のプロセス (2012.6.23)
教職に逃げる大人たち (2012.6.21)
最近の若者はバカばかり(2012.5.26)
「カネのため働く」という建前(2011.12.25)



2014.3.4 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ