ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3340)

 大物プロブロガーの誤算と敗因 

 大物プロブロガーのI氏が、電話対応や議事録作成を「クリエイティブじゃない」と馬鹿にしていた。

 公言するか否かは別として、本音では、大物プロブロガーと同じように感じる人は多いのかもしれない。

 結論から言えば、電話対応も議事録作成も、とても大切なことだ。だから、大物プロブロガーのような考えは、完全に間違っている。建前ではなく、僕は本気でそう思っている。

 大物プロブロガーの彼は、組織で働いていた頃、「俺様は優秀でクリエイティブなアイディアを持っているが、周囲はバカばかり」と思っていたことだろう。また、内心、I氏のような考えを持っている人は、決して少なくないと思う。

 職場に関する愚痴の大半は、この手の話と言っても、過言ではないだろう。

 だが、現役の実務家として、これだけは言っておきたい。

 大物プロブロガーがいくら言い訳しようと、彼は、人と組織を動かすことができなかった。

 それは、彼の仕事に対する姿勢に「誠意がない」からであり、その結果、「こいつは信用できない」という評価に繋がったのだと思う。いくら彼が「俺様はクリエイティブで優秀」と主張しても、この点は誤魔化せない。

 成果と実績があれば、殊更、「仕事への誠意」を示す必要はないだろう。しかし、まだ成果と実績を持たない新人が、仕事を獲得しようと思ったら、「熱意」を示すしかない。

 精神論のようになって恐縮だが、新人の頃から、「仕事への誠意」を欠くような言動を取るのは、やはり間違っている。

 少なくとも、実務家として、彼は無能だった。プロブロガーとしても微妙だが。

 いくらクリエイティブなアイディアを持っていようと、実現されて、成果に結びつかなければ、無価値だ。

 実務家にとっては、「いかに企画を実現するか」こそが、腕の見せどころであり、人と組織を動かすためには、ロジックに加えて、"腕力"が必要になる。

 このノウハウは、実際に現場で格闘しなければ、絶対に身に付かない。

 自ら最前線で戦う覚悟がなければ、人も組織も動かせない。安全地帯でふんぞり返って他人に指示をする人間など、軽蔑されて当然である。

 当然ながら、I氏は、この種の実務能力を全く身に付けていない。そして、相変わらず、「俺様は優秀でクリエイティブなアイディアを持っているが、周囲は頭の硬いオッサンばかり」と勘違いしている。

 いや、そうじゃない。

 「人と組織を動かす力があること」こそ、優秀な実務家の絶対条件だ。これと比べれば、アイディアなど二の次、三の次だ。

 彼は、「人と組織を動かす」という実務経験を習得し損なった。

 僕は実務家として、大物プロブロガーの彼がバカにしている仕事を、コツコツと習得した。電話対応も、議事録作成も、疎かにはしなかった。

 その結果、どうなったか。僕は、ゼロから自分で企画した"手作りの成果"を積み上げることができた。

 一方、"クリエイティブな仕事"だけに専念した彼は、アフィリエイトブロガーに身を落とし、延々と「俺様はクリエイティブで優秀」と吠え続けている。自分の敗因にすら気付かないのは、哀れなものだ。

 結局、今では、僕の方が彼より稼いでいる。そしてたぶん、僕の方が自由を満喫している。

 案外、世の中は公平なものだと、僕は思っている。

 山田宏哉記

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