ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3341)

 なぜ、失敗者ほど他人に助言したがるのか 

 「敗軍の将、兵を語らず」という格言がある。失敗者の言い訳や弁解を戒める言葉だ。

 世の中を観察すると、「失敗した人ほど、他人に助言したがる」という傾向を見出せる。ちなみに、最近の傑作は「有料メルマガの購読者がいないから、有料メルマガのノウハウを教えるセミナーで稼ぐ」という話だ。

 人生の早い段階で、わざわざ将来の選択肢を狭めるのは、愚かな行為だ。選択肢は、単に「選択肢がある」というだけで価値がある。

 よく、会社を辞めた人が、会社勤めを悪く言い、「さっさと辞めた方が良い」と言うケースがある。こういう人は、本心では、会社を辞めたことを後悔しているのだと思う。

 ブログやメルマガ、相場などは、会社勤めをしながらでもできる。会社を辞めてまで、することではないと思う。

 しかも、組織人から専業のアフィリエイトブロガーや有料メルマガの発行人への転向は一方通行で、後悔しても、もう戻れない。一般常識に照らせば、狂気の沙汰である。

 そのためか、会社を辞めて失敗した人たちは、他人を「自分と同じ失敗」に巻き込もうとする。

 あるいは、学校教育で言えば、理系と文系の選択では、理系を選択した方が良い。理系から文系への転向は用意だが、その逆は難しいからだ。

 ところが、"文系選択の失敗者たち"は、盛んに後輩に文系選択を勧め、「自分と同じ失敗」に巻き込もうとする。

 この背景には、合理的な理由がある。

 失敗者として最も悲惨なのは、他の人はうまく行ったのに、自分だけが失敗することだ。だから、失敗者は暗に「失敗者仲間」を求める。自分と同じ失敗をする人が増えれば、自分の失敗が目立たなくなる。

 更に、失敗者の助言には「自己催眠効果」もある。他人に助言することで、あたかも自分が一端の人物であるかのように、自分に催眠をかける(本当は違うのだが)。精神衛生を保つためには、これが手っ取り早い。

 人は、たとえ客観的にみれば失敗であっても、自分の選択を正当化しようとする。この習性そのものは、ある程度は仕方がない。素直に自分の誤りを認められる人は、それだけで希少価値があるくらいだ。

 だから、失敗者本人が自分自身を誤魔化す分については、特に僕から言うことはない。

 但し、失敗者に対して強く言いたいのは、「失敗に他人を巻き込むな」ということだ。転落人生を歩むのは本人の勝手だが、他人に対して、無責任な助言をするとなると、話は違っている。

 多くの場合、失敗者の助言は「負けるための教え」でしかない。失敗者の助言を真に受けた人には、転落人生が待っている。

 失敗者が、助言の形を借りて、言い訳や弁解をするのは、単に見苦しいだけでなく、周囲の人にとっても、非常に迷惑な話なのだ。

 山田宏哉記

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