ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3344)

 組織の中で「名乗りを上げる」 

 組織の中で目立つ行為や行動をするのは、あまりお勧めはできない。減点主義やセクショナリズムがはびこる組織では、「事なかれ主義」を貫いた方が得策であることも多い。

 ただ、一方で強調しておきたいのは、伝統的な日本企業の中で、若手社員が「挑戦しがいのある仕事」をしようと思ったら、組織の中で「目立つ」ことは、避けて通れないことだ。

 個人的観察では、成果や実績で目立っていない人が、「挑戦しがいのある仕事」をしても、あまりうまくいかないことが多い。そういう人が重要なポジションにつけば、口に出しては言わなくても、自ずと不満と不公平感が募る。これでは仲間の協力を得られない。

 一昔前、若手社員にとって、「タバコ部屋」や「職場酒」は、名乗りを上げるチャンスの場だった。タバコ部屋や酒席で、幹部から「こいつは面白い若者だ」と認められれば、重要な仕事が回ってくる可能性が高まった。個人的には、こういうやり方は好きではないが。

 今では「タバコ部屋や職場酒で幹部に顔と名前を売れ」といった類の話には、反発を覚える人も多いと思う。仕事の本筋と関係ないのだから、それも当然だ。ただ、だからこそ「仕事の実績と成果で目立つ」という姿勢が、これまで以上に重要になったと思う。

 もちろん、奇抜なファッションなどで目立っても仕方がない。より厳密には「成果と実績で目立つ」ことが必須だ。

 僕が個人的に「組織の中で名乗りを上げても良い」と感じたのは、ごく最近のことだ。積み上げた成果と実績が大きくなってきたので、少しばかり目立っても、あまり悪い影響はなくなった。

 むしろ逆に、「仕事につながる話」が回ってきやすいなど、メリットの方が多いことに気付いた。

 組織で働いていると実感しにくいが、仕事をする上で決定的に大切なことは、「仕事を獲得すること」または「作品を成果として売ること」である。営業活動に照らして言えば、「受注」と「販売」の部分だ。成果の質と量は、この部分で大枠が決まってしまう。

 組織の外に仕事を発注する時は、「実績のある有名どころ」を選ぶのが、無難な選択だ。これは組織の中の人に仕事を振る際にも当てはまる。仕事を獲得する上で、「実績で目立つこと」は、何よりの宣伝になる。

 組織の中で「名乗りを上げる」。安易には勧められないが、自分の腕と実績に自信があるなら、やる価値はあると思う。

 山田宏哉記

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