ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3349)

 情報弱者のための家電量販店

 この度、引っ越しをしたので、新居用にTV、洗濯機、冷蔵庫を購入した。

 結論から言うと、TVと冷蔵庫は近所のウォルマート(西友)、洗濯機は「価格.com」で最安価格で提供しているショップで購入した。

 家電量販店のヤマダ電機も見て回ったが、商品のラインナップと価格が「論外」だった。売り場を訪れた瞬間、「Amazonで買った方が良い」と感じた。

 購入したシャープの32型の液晶TVを例にとると、近所のウォルマート(西友)では\39,000、同一機種がamazonでは\40,800、ヤマダ電機では\51,800だった。

 (設置込みでの依頼ができる点や「近所に店がある」という安心感を考慮すると、僕の中では、amazonより西友に軍配が上がった。ヤマダ電機は論外)

 家電はどこのお店で買っても商品そのものに差がないので、極力、安く買った方が良い。

 ヤマダ電機では10%還元の「ポイント」が付くらしいが、価格が3割高いのでは、全く話にならない。「ヤマダ電機はポイントで10%還元だから、お得だわ」とか言っている人は、どう見ても情報弱者である。

 若干、ヤマダ電機を擁護すると、ヤマダ電機は、店員との交渉次第で、値下げ余地がある。店員を困らせる超絶クレーマーのような技能があれば、ヤマダ電機でも、amazon以下の価格で買えるかもしれない。

 それでも、ある程度のリテラシーがある人にとっては、家電の価格はAmazonや価格.comで比較してから買うのが常識だ。

 数百円の価格差は無視しても差し支えないが、大型家電ともなると、ショップによって、1万円単位で価格が変わってくる。

 多くの人にとって、1万円を稼ぐためは、丸1日働く必要があるだろう。Amazonや価格.comで販売価格を比較することで、数万円が浮くなら、大半の人にとって、やる価値はあると思う。

 家電量販店でamazonやウォルマート(西友)よりも約3割高い家電を買うのは、どう考えても経済合理的ではない。だが、そういう人はたくさんいる。

 その証拠に、ヤマダ電機は2014年3月期の営業利益予想が274億円から340億円に上方修正した。増税直前の販売攻勢が奏功したそうだ。

 私見では、増税直前に家電量販店で家電を買うのは、完全に「高値掴み」だったと思う。家電のようなコモディティの価格は、需要と供給で決まるので、増税直前時期のように需要が集中すると、価格が吊り上がる。

 増税直前時期には、平時より価格が3割高くても、バンバン売れただろう。店側も「3割高くても売れる」と見抜いている。

 増税分の3%を節約するために、増税直前時期に、平時より3割高い家電を買うのは完全に本末転倒だが、案外、人間はこういう部分でコロッと騙されてしまう。

 ヤマダ電機のように店舗の賃借料、人件費、広告宣伝費がかさむ企業は、その分、商品価格を高く設定しないと採算が取れない。それでも業績予想を上方修正したということは、「増税直前キャンペーンで高値売り抜け」の作戦が大成功だったことを意味している。

 改めて思うのは、ヤマダ電機のような家電量販店で家電を買うのは、いまやリテラシーの低い情報弱者だということだ。

 ユーザーとは無関係の賃借料や広告宣伝費、多すぎる店員の人件費などが上乗せされた家電を買うのは、お人好しとしか言いようがない。

 Amazonやウォルマートと、日本の家電量販店では、おそらく商品の調達能力が全く違う。小売の世界では「大量発注による仕入れ単価の低減」が圧倒的にモノを言う。

 世界規模で展開する企業と日本のドメスティック企業では、仕入れ原価の段階から差が付いて、当然だと思う。

 家電量販店の価格がamazonより高いことについては、「リアル店舗のメリット」をアピールすることで、何とか言い訳ができた。だが、ウォルマート(西友)より高いことについては、もはや言い訳ができない。

 大型家電を買うなら、ウォルマート(西友)とAmazon、価格.comを比較して、最も条件の良いショップを選べば、大きくは間違わない。

 それでは果たして、家電量販店で大型家電を買うメリットはあるのか。僕は「ない」と思う。少なくとも、僕がこの先、家電量販店で大型家電を買うことは、ないだろう。

 山田宏哉記

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