ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3351)

 住民税を取り戻す方法

 引っ越しにあたって、住民票を埼玉県から東京都大田区に移した。東京で10年くらい暮らしているが、この度、正式に東京都民となった。

 来年からは、大田区に住民税を支払うことになる。

 さて、住民税は、ごく大雑把に言うと、前年度の課税所得の10%にかかる。

 例えば、年収から社会保険料等を差し引いた所得額が約300万円なら、住民税の支払いは年間約30万円となる。

 僕の場合、給与所得に加え、投機取引の利益からも住民税を支払っている。

 平均的な日本の労働者なら、年間十数万円から数十万円を、住民税として支払っているはずだ。生活実感で年間十数万円から数十万円と言えば、結構な金額だ。

 こうして支払われた住民税は、住民が無関心のままだと、色々と無駄遣いされて、結局、胡散霧消してしまう。

 国民には「納税の義務」があるので、住民税を支払うこと自体は避けられない。但し、工夫次第で、間接的に取り戻す方法があると思う。

 それは住民税を原資とする公共サービスを徹底的に利用することによって、家計にかかる費用を節減することだ。

 具体例のひとつは、書籍・雑誌・新聞などの購読を、公共図書館にアウトソーシングすることだ。

 本は「身銭を切って読まないと身に付かない」と言われる。確かにそういう面はあるが、公共図書館の本の原資は、僕たちが払った住民税である。住民税を払っている人にとっては、公共図書館の本も、間接的には身銭を切って買ったものだ。

 この度、引っ越しをするにあたって、本を数百冊捨てて思ったが、手元に残す価値のある本は、読んだ本のうち、ごくわずかしかない。読み終えて捨てるくらいなら、公共図書館で借りて読んだ方が、コスト面でも、環境面でも、合理的だと思う。

 公共図書館で借りて読むのが、本の著者に対して申し訳ないかと言えば、それはない。

 納税者であれば、住民税として、間接的に公共図書館の図書購入費用は払っている。また、出版社にとっても、公共図書館への販促は重要な営業課題だ。

 また、公共のスポーツセンターの建築や運営にも、住民税が投入されている。間接的に公共のスポーツセンターの費用を負担しながら、民間のスポーツクラブに通うのは「費用の二重払い」のように見える。

 家の近所に公共のスポーツセンターがあるが、ここのトレーニングルームは1回あたりの利用が¥330。月10回利用でも¥3,300。

 民間のスポーツクラブだと月会費が1万円以上することが多いので、公共スポーツセンターへの切り替えで家計負担を1/3に圧縮できる。

いずれにせよ、住民税を原資とした公共サービスは「使ったもの勝ち」の世界なので、徹底的に利用した方が得策だと思う。

 山田宏哉記

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2014.4.30 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ