ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3369)

 新聞を読むべきか 

 「新聞を読むべきか」という問に答えるのは、実は難しい。

 ここでは、新聞を読む目的を「仕事で成果を出すため」に限定する。従って、「市民としての義務」とか「ニュースを知らないと恥ずかしい」といった事情は、考慮しない。

 結論から言うと、「どのレベルの仕事をするか」で違ってくる。

 ルーティンワークに終始するなら、わざわざ新聞を読む必要はない。一方で、「新しいアイディア」を考えるなら、基本的に新聞には目を通す必要がある。

 一見、理不尽だが、「就活のために日経新聞を購読し、内定が取れたら、日経新聞の購読を止める」というケースがある。これは、実は合理的な行動だ。

 就職活動では、「会社選び」や「業界研究」が必要になる。これから有望な業界や企業、職種を見抜かなければならない。

 実は、就職活動という"仕事"は、入社1年目の仕事より、遥かに難易度と重要度が高い。だから、自力で考えなければならない。考えるためには、相応の判断材料が必要であり、新聞はその判断材料のひとつだ。

 だからこそ、就活生は、新聞を読むことが必要だ。

 一方で、一旦、会社に就職したら、事情は違ってくる。入社1年目は、ひたすら言われたことをやっていれば、乗り切れてしまう。むしろ、処世的には、余計なことを考えない方が良い。だから、新聞は読まなくても構わない。

 そして、組織で働いて数年も経つと、「新聞を読む必要がある仕事」をする人と、「新聞を読む必要がない仕事」をする人に、自ずと振り分けられていく。

 これは必ずしも、地位や職務だけで決まることではない。

 どちらのレベルの仕事をするかは、実は自分で決めるべき問題だ。僕は、「新聞を読む必要がある仕事」の方を選んだ。

だからこそ、「実務で新聞は役に立つか」という問は、その人の仕事のレベルと実務能力を測るバロメーターでもある。

 よく「新聞を読んでも役に立たない」と言う人がいる。要は、それで済むレベルの仕事しかしていない。それが悪いとは思わないが、決して威張ることではない。

 組織の中で、一定レベル以上の仕事をしようと思ったら、経済動向や業界動向、顧客や競合他社、取引先などの関する情報が絶対に欠かせない。だから、新聞を読む必要がある。

 自分はルーティンワークに終始する人材で構わないのか、それでは嫌なのか。

 いずれにせよ、「新聞を読むべきか」に対する答えは、自分自身の目標の置きどころによって違ってくる。

 山田宏哉記

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2014.6.13 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ