ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3374)

 なぜ、ナンパ師は心が折れないのか 

 実生活で「なぜ、ナンパ師は心が折れないのか」という疑問に答える機会があった。

 これはもっともな疑問だ。僕も時々、街中で女性に声を掛けまくっている男を見かけることがある。そして、僕が目撃した範囲では、ナンパ師は、道行く女性から全く相手にされていなかった。

 これほど立て続けに断られていては、自尊心が傷付き、心が折れるのではないか。

 僕は、以下のような喩え話をした。

 「仮に100人に『1億円ください』とお願いして、1人でも1億円を払ってくれる人がいるなら、99人に断られても、やる価値はあるのではないか」

 街頭でのナンパは、成功率は低いが、完全に0%ではないはずだ。

 なぜなら、路上でのナンパ行為の成功率が完全に0%なら、ナンパ師は時間と労力を完全に無駄遣いしていることになる。

 これでは、遅かれ早かれ、ナンパ師の意欲が続かず、ナンパをやめることになるだろう。

 人間を無作為に100人選べば、中にはお人好しや気が弱い人もいるはずだ。ナンパ師の誘いに乗る女性も、数は少ないが、存在するはずだ。

 私見では、「人間の多様性」の側に賭けて数をこなせば、少々無理なお願いでも、聞いてくれる人はいるものだ。

 自分自身の常識や人間関係を根拠に「そんな人はいない」と言う人がいるが、意外と該当者はいると思う。

 「1万円をください」と100人にお願いすれば、ひとりくらいはくれると思う。無作為に100人選べば、資産家や投資やギャンブルで大勝ちした人もいるだろう。

 路上で「お金ください」と懇願して、1%の確率で1億円がもらえるなら、多くの人が「プライドを捨ててでも、やる価値がある」と考えるだろう。

 一方、1%の確率で1万円なら、「プライドを捨てているのに、割に合わない」と感じる人が多いだろう。「やってもいい」と思う具体的な金額には個人差がある。

 ナンパ師についても、同じことが言える。

 路上で女性に声をかけるとして、99%は冷たく拒絶されるが、1%の確率で「おいしい思い」ができるとする。果たして、やる価値があるか。

 各人の価値観によるが、大半の男性は「やる価値がない」と考える。但し、ナンパ師のような一部の男性は、この条件で、「やる価値がある」と考える。

 「お金をください」と懇願することで、1%の人から1億円を貰えるなら、99%の人に冷たく断られても、普通の人でも、心は折れないはずだ。ナンパ師の心が折れないのも、要は、こういうことなのだ。

 山田宏哉記

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2014.6.13 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ