ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3384)

 普通の日本人は、日本語の読み書きができない

 驚くべきことに、普通の日本人は、実は日本語の読み書きができない。少なくとも、そう考えた方が良い。僕は最近、このことに気付いてしまった。

 もちろん、日本人の識字率はほぼ100%となっているし、本人たちも日本語の読み書きは、「できるつもり」だろう。

 しかし、普通の日本人が使う日本語は、率直に言って、「間違いだらけ」だ。

 周知の通り、ウェブやメールなど、テキストベースのコミュニケーションでは、トラブルが生じやすい。

 この理由は、通常、「文字だけでは、表情や声など、微妙なニュアンスが伝わらないから」とされる。

 そうではない。普通の日本人は、そもそも日本語の読み書きができないのだ。正確な表現と読解ができないのだから、誤解やトラブルが生じるのは、むしろ当然だ。

 ビジネスの場面でも、これは変わらない。

 いちいち目くじらを立てても仕方ないが、契約や業務命令、顧客向けの文章など、クリティカルな箇所に「間違いだらけの日本語」が混入するのは、さすがに避けなければならない。

 日本企業の中で、日本語の読み書きができる人は、実は少数派だ。個々人が、日本語を使いこなせるようになるだけで、組織のコミュニケーションの問題は相当改善する。

 外国語であれば、わからない単語があれば、辞書で確認する。英作文をするなら、文法や語法に誤りがないか、ネイティブの英語教師にチェックしてもらうなどして、万全を期すだろう。

 本来は、自国語についても、外国語以上に、労力を割くべきだ。わからない単語は、都度、辞書で意味を確認すべきだし、自国語の文書の添削を受ける機会も必要だ。しかし、多くの日本人は、自国語に対して、当然払うべき労力を払っていない。

 文書の添削を受ける機会を持たず、理解できない単語は放置する。物事を正確に表現するだけの能力を持たず、意味を理解できない文章は、勝手に都合の良いように解釈する。これが、普通の日本人の「読み書き能力」の実態だ。

 もちろん、日本人だけが特別に「読み書きができない」わけではない。普通の人は、そもそも「読み書きができない」のだ。だからこそ、意思疎通のためには、身振り手振りやパワーポイントのような「紙芝居」が必要になる。

 日本だと、「どうも」とか「マジヤバい」と言っているだけで、何とか生活できてしまう。だから、読み書きができなくても、生活にはあまり支障がない。

 いずれにせよ、「日本人なら誰でも、日本語の読み書きができる」という常識は、完全に間違っている。

 コミュニケーションがうまくいかない場合、まず「普通の日本人は、日本語の読み書きができない」と見做すところから始めるのが良いと僕は思う。

 山田宏哉記

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