ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3385)

 炎上に宿る"異様な情熱"の正体
    〜
なぜ、あの人は自殺に追い込まれたのか〜

 昨年、ブログが"炎上"した岩手県議が自殺する事件があった。報道によると、炎上の原因は、病院対応を批判するブログを書いたことだった。

 おそらく、普通の人は、「なぜ、県議が自殺したのか」を理解できないと思う。たかが、病院対応を批判したブログが炎上しただけで、なぜ、自殺をしなければならないのか。

 冷静に考えれば、病院を批判したブログが炎上しただけで自殺するのは、どう考えてもバカげている。

 但し、それは当事者でないから言えることだ。

 人間は案外弱いもので、病院を批判したブログが炎上しただけで、自殺に追い込まれたりする。

 なぜ、きついのか。炎上に加担する人は、本音では、「死んで詫びろ」と思っているからだ。

 炎上に加担する究極の目的は、「ターゲットが自殺すること」だ。彼らの本音を代弁すれば、人が死ぬのは最高のエンターテイメントであり、気に食わない人間がこの世から消えれば、何と言っても「飯がうまい」わけだ。

 人間は99人に褒められても、1人に貶されたら、貶されたことを気にしてしまう。その理由は、褒められて嬉しいのは「文化の領域」であるのに対し、貶されることを気にするのは「本能の領域」だからだと思う。

 人間も動物である以上、ネガティブな情報を気にしてしまうのは、避けられない。

 僕にも経験があるが、数千人、数万人のアイドルファンからTwitterでバッシングされるだけでも、睡眠不足になったりするものだ。

 だからこそ、炎上に加担する人は、ターゲットの過去の経歴や個人情報を「異様な情熱」で詮索し、名誉毀損になるような情報をウェブ上にばら撒く。炎上に加担する人に宿る「異様な情熱」の正体は、ターゲットの死を望む悪意に他ならない。

 そして、精神的に弱い人だと、数千人、数万人からの「死ね」という悪意に晒されると、本当に自殺に追い込まれてしまう。

 人間は残酷なもので、少なからぬ人は、気に食わない人に対して、「この世から消えて欲しい」という感情を抱いている。「死ね」という口癖は、その証拠だ。また、だからこそ、アクション映画で悪役が死ぬと、「気分爽快」に感じるわけだ。

 炎上の当事者になれば、おそらく鈍感な人でもわかる。炎上に加担する人々が、自分の死を望んでいることが。

 決して勧めはしないが、たかが病院批判のブログの炎上であっても、数千人、数万人から「死んで詫びろ」という悪意を浴びると、精神的におかしくなって、自殺に追い込まれていく様子がよくわかるはずだ。

 山田宏哉記

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