ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3396)

 "短期の成果"こそ、決定的に重要である

 よく「目先の利益に囚われてはいけない。中長期の戦略が重要」という趣旨のことが言われる。

 「差別はいけない」という話と同様、表立っては反対しづらい。実際、もっともらしく見える。

 しかし、それは本当だろうか。

 予め断っておくと、僕は"中長期の戦略"ではなく、"短期の成果"こそが、決定的に重要だと考えている。

 「短期の成果」を着実に刈り取るのは、企業にとっては事業の基盤であり、個人にとっては、雇用の基盤である。「中長期の戦略」を考えるのは、「短期の成果」があってこそだ。

 僕自身は、毎日、「短期の成果」に徹底的にこだわり、「スピードとの戦い」をしている。中長期のことも考えてはいるが、それはあくまで、「短期の成果」があってこそだと思う。

 中長期のことで、明確な成果を出せない時、「長い目で見てください」と言うのは、心苦しいものだ。中長期のことを「長い目」で見てもらえるかは、得てして「短期の成果」があるかにかかっている。

 不本意ながら、「長い目で見ていただきたい」と言わざるを得ないことがあった。これは、「短期の成果」がなければ、恥ずかしくて、とても言えなかった。

 新しい環境で働き始めた時、最も重要なことは、一刻も早く、成果を出すことだ。政治の世界でも、新政権は最初の3ヶ月が勝負と言われる。自分の居場所を確保するためには、徹底的に「短期の成果」を追求する必要がある。

 投資の世界もそうだが、明確な根拠もなく、「短期よりも中長期」を賛美するのには、強い違和感がある。中長期と言っても、それは日々の積み重ねに他ならない。

 自分の仕事に関しては、何事も「短期でやり切る」という姿勢が重要だと思う。それでも、結果的に時間がかかることはある。

 はじめから「中長期でやろう」とするのでは、スピードへのこだわりが感じられず、単に「サボる口実」でしかないと思う。

 企業であれ、個人であれ、いくら中長期のことを熱心に考えていても、「短期の成果」を出せなければ、おそらくハローワークに通うことになるだろう。

 「短期の成果」は、日常生活で言えば、"衣食住"に相当する。生き残るためには、まずは「今日の食事」と「今日、寝る場所」を確保することが最優先だ。ホームレスは「将来のビジョン」などを語っている場合ではない。

 自分の居場所と仕事を確保するためにも、あくまで「短期の成果」に徹底的にこだわることが重要なのだ。

 山田宏哉記

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