ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3397)

 勤務先とプライベートなSNSの問題

 原理原則を言えば、プライベートなSNSでどのような情報を公開しようと、それは自由だ。

 もちろん、職務上知り得た情報を書くことを禁じることはできる。しかし、企業はそもそも従業員がプライベートで書く内容に対して、干渉する権利を持っていない。

 各社で利用ガイドラインを定めているかもしれないが、SNSに勤務先を書くかどうかも、基本的には個人の自由だ。

 「但し」と僕は思う。

 個人的意見だが、プライベートなSNSのアカウントで勤務先を名乗るのは、止めた方が良いと思う。特に有名企業勤務の人はそうだ。

 もちろん、「○○社勤務」と名乗って、キャバクラやパチンコでの出来事を自慢しても、構わない。消費者金融でお金を借りて、「借金で首がまわらない」と書いても、もちろん構わない。構わないが、やはり当人の勤務先のイメージは、悪化するのではないか。

 多くの企業では、会社のブランドに責任を持つ部署が存在する。企業のウェブサイトに掲載されるお知らせ等は、大抵、複数人が手間をかけてチェックしているはずだ。企業として情報を発信するのは、細心の注意を要することだ。

 会社にとっては、ブランドイメージが極めて重要だ。いくらプライベートでも、勤務先として社名を名乗った従業員が、社会的に見て、恥ずかしい行為をすれば、(行為そのものは合法でも)どうしても会社のブランドイメージに影響する。

 残念ながら、日本では、未だに個人主義が確立していない。勤務先と従業員のプライベートにおける言動を切り離して考えることができない。

 少なくとも、会社のブランドイメージ構築に従事している人からすれば、勤務先を名乗って、プライベートで好き勝手な言動を取る人は、手出しはできなくとも、「非常に目障り」なわけだ。

 ビジネスパーソンは、単に自分の仕事を遂行するだけでも、利害の対立が生まれる。この調整だけでも相当に大変なことだ。それ以外のプライベートなことで、わざわざ社内に敵を作るのは、本当に馬鹿げている。

 しかも、世の中には「○○社勤務の社員がラーメンを食べるとは何事か。どう教育しているんだ」みたいな難癖を付けてくる人が、一定数存在する。勤務先のお客様相談室などに、社員のプライベートなSNSに関する苦情電話がかかってきたら、非常に迷惑な話だ。

 一般公開しているSNSに家族や友人の氏名や個人情報を書けば、どうしても余計な迷惑をかける可能性が生じる。勤務先を書くのも、「他人に余計な迷惑をかける可能性がある」という意味では、これと同じことだ。

 余計なトラブルのリスクは、最初から排除するに限る。ウェブの世界で10年、実名で押し通してきたが、やはり勤務先は非公表にした方が良いと感じている。

 山田宏哉記

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