ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3398)

 重箱隅子で恐縮ですが…

 最近、新しいフレーズを考案した。考えただけでなく、実際に使っている。

 それは「重箱隅子で恐縮ですが…」という表現だ。「重箱の隅をつつく」を「重箱隅子」と更に短くした。

 主として、細かい不具合の指摘をする時に、前置きとして使う。緊急あるいは重大ではないことを、一目瞭然でわかるようにするわけだ。

 フレーズそのもの重要なのは、このようなフレーズを考えて、使うようにした理由だ。

 仕事で最も効率よく自己アピールする方法は、他人の仕事の揚げ足を取ったり、重箱の隅をついたりすることなのだ。

 僕自身は、揚げ足取りは、するのもされるのも嫌だ。だが、「楽して成果を出したい」という気持ちは、おそらく誰にでもある。

 重箱隅子で難癖を付けようと思えば、大抵の人には、難癖を付けられる。

 「重箱隅子で恐縮ですが…」と断りを入れるようにしたのは、他者への配慮と自戒の念の2つの理由がある。

 正直言えば、僕も、重箱の隅を突くのは好きで、細かいミスや不具合を検出するのは、人並み以上に得意だと思う。

 下手をすると、自分の仕事を差し置いて、重箱隅子をやってしまう。あくまでプラスαの要素だと肝に命じないと、ついやり過ぎてしまう。

 他者への配慮については、申し訳なく思っていることがある。

 他人の成果の中に不具合があった場合、時として、不具合を検出した僕が評価されてしまうことがある。これは「成果の横取り」にも等しいことだ。

 僕は、揚げ足取りをして、他人の成果を横取りする気はない。まず、そのことを明確にしたい。

 それでも、顧客が目にする部分に不具合があれば、たとえ些細な部分でも、修正をする必要がある。それは、自己アピールのためではなく、お客様のためだ。

 組織の風土として、「重箱隅子」が高く評価されるのは、危険信号だ。特に、新しいアイディアや革新的な施策を考える人より、重箱隅子が高く評価されるようでは、その組織は停滞を余儀なくされると思う。

 評価されてしかるべきは、他人の粗探しをする人ではなく、あくまで成果を出す人だ。

 僕は、「重箱隅子で恐縮ですが…」というフレーズで、上記のようなことを端的に表現したつもりだ。

 山田宏哉記

【関連記事】
"腐った世の中"と"愚かな一般大衆"を見下すあなたへ(2014.9.1)
僕たちが生まれた時、世界はもう完成していた(2014.8.16) "寛容"は、教育と訓練の賜物である(2014.8.10)
炎上に宿る"異様な情熱"の正体(2014.8.8)
チームワークに逃げるな(2014.8.2)
「仲間」と認められる人、認められない人(2014.7.26)
「今、解決すべき問題」と実務という試練(2014.7.3)
大物プロブロガーの失敗に学ぶ仕事術(2014.6.28)
大物プロブロガーは、「お荷物社員」だった(2014.6.27)
スポーツ観戦の本質と人生を諦めた一般大衆(2014.6.21)
傲慢と謙虚についての誤解(2014.6.16)
なぜ、「嫉妬」を「義憤」にすり替えるのか(2014.6.13)
「憧れの仕事」をする者の義務(2014.6.9)
「憧れの仕事」をする上での注意点(2014.6.7)
僕がNHKオンデマンドを解約した理由(2014.5.24)
今、「普通の働き方」を考える(2014.5.24)
決着:ネットショップVSリアル店舗(2014.5.18)
もし、世帯年収355万円で新築マンションを購入したら (2014.5.11)
東京に住むのは合理的な判断か (2014.5.10)
シェアハウスに住むのは合理的な判断か (2014.5.6)
情報弱者のための家電量販店 (2014.5.2)
大物プロブロガーの誤算と敗因 (2014.3.22)
コストとリターンで学ぶ商売の基本 (2014.3.15)
自慢話をするなら、"迷惑料"を払うべし (2014.3.14)
大物プロブロガーが本当に伝えたいたった1つのこと (2014.3.4)
時間を売るポジションと人材マーケットの論理(2014.3.1)
有料メルマガにみるドヤ顔ノマドの限界(2014.2.24)
「雇用のミスマッチ」を考える(2014.2.22)
「勝ちが勝ちを呼ぶ、負けが負けを呼ぶ」という構造(2014.2.20)
なぜ、会議に貢献できないのか(2014.2.13)
出張で成果を出す(2014.2.10)
プロジェクトで成果を出す(2014.1.25)
長時間残業が減らない本当の理由(2014.1.11)
仕事がなくて暇な会社員(2013.6.30)
「上司に相談します」が口癖の担当者(2014.2.1)
個人主義者は会社勤めできるか(2014.1.26)
日雇い派遣に学ぶプロジェクトの本質(2014.1.18)
誰が"面倒な雑用"をするべきか(2013.12.30)
タクシーに未来はあるか -業界復活の切り札-(2013.12.21)
TV電話が普及しない本当の理由(2013.12.7)
就職活動の勝敗は10歳の頃に決まっている(2013.10.25)
『ちびまる子ちゃん』で学ぶ「教室内カースト」(2013.10.20)
なぜ、日本人の7割には中学レベルの知識もないのか(2013.9.22)
勤労の美徳と資本主義の強欲 (2013.9.21)
ウェブへの上場と不特定多数による評価 (2013.9.16)
仕掛けと手仕舞いの仕事論 (2013.8.31)
"この世にいらない人間"と動物的本能の暴走 (2013.8.20)
人間的魅力の効用と限界 (2013.7.28)
勤勉という美徳の終わり(2013.6.30)
勉強で得られる知識は、価値が低い(2013.6.22)
仕事が好きな人、嫌いな人(2013.6.1)
仕事に"専門的な知識と能力"は必要か(2013.4.27)
ビジネスでは、あまり努力しない方が良い理由(2013.4.20)
誰が「腐った人材」を養うのか(2013.4.13)
「パンを分け合う仲間」としての会社(2013.3.30)
なぜ、あの人は「本を読むバカ」なのか(2013.3.26)
「やればできる」の仕事論(2013.3.23)
なぜ、ユニクロの離職率は高いのか(2013.3.16)
若者よ、貯金は止めた方が良い(2013.3.12)
英語公用語化の真意(2013.3.9)
薄給の時代 、副業の損得勘定(2013.3.2)
株で勝つのが難しい理由 (2013.3.2)
残業を良しとする"村の論理" (2013.2.24)
お金を稼ぐ力、組織を泳ぐ力(2013.2.16)
「みんな」という名の不審人物(2013.2.9)
リスクヘッジとしての株式投資(2013.2.2)
勤労の国の幸福なサラリーマンたち (2013.1.27)
公務員の"駆け込み退職"騒動の本質(2013.1.26)
株式投資の「究極の目標」とは何か(2013.1.23)
シャープ株の売買で気付いたこと(2013.1.17)
"試練の場"としての株式投資(2013.1.14)
中村淳彦(著)『職業としてのAV女優』覚書(2013.1.4)
読書の費用を回収できるか(2013.1.4)
いかに「読むべき本」を確保するか(2013.1.4)
"紙本主義"の終わりとアマゾンのキンドル生態圏(2013.1.1)
信仰告白のビジネスモデル (2012.12.29)
iPhoneの防水ケースと家電量販店の終わり(2012.12.26)
なぜ、デートでサイゼリヤに行ってはいけないのか?
(2012.12.22)
ペニーオークション詐欺の教訓(2012.12.22)
汗で稼いだ一万円、投資で稼いだ一万円(2012.12.19)
実務に活かす株式投資(2012.12.15)
アウトソーシング時代の働き方(2012.12.8)
「飽きないこと」を仕事にする(2012.12.2)
ビジネスに活かす優先的選択(2012.11.27)
もしも世界が男女10人ずつの高校の教室だったら
(2012.11.25)
"ホームレス転落"という悪夢 (2012.11.24)
映画『シルク・ドゥ・ソレイユ』に学ぶ人材配置 (2012.11.18)
シュートを打つ人、パスに逃げる人 (2012.11.17)
若さゆえの飢餓感 (2012.11.17)
動物王国としての実社会 (2012.11.11)
人生を語る不誠実さ (2012.11.11)
映画『009 RE:CYBORG』覚書(2012.11.4)
なぜ、経歴を詐称するのか(2012.11.3)
愛は地球を救えない(2012.10.24)
労働貧困層と生活保護(2012.10.22)
ルサンチマンのある人生(2012.10.18)
世界は"不本意な職業"で溢れている(2012.10.15)
不本意な職業を受け入れる(2012.10.13)
僕たちは「格差社会」を望んだ(2012.9.24)
「人間好き」のファシズム (2012.9.17)
強者はデモに参加するか(2012.9.15)
撤退戦としての介護(2012.9.1)
「仲間外れ」の構造(2012.6.26)
反知性主義の国・日本(2012.6.24)
日本人の7割には、中学の教科書レベルの知識もない
(2012.6.23)
読書を実務に活かす暗黙のプロセス (2012.6.23)
教職に逃げる大人たち (2012.6.21)
最近の若者はバカばかり(2012.5.26)
「カネのため働く」という建前(2011.12.25)



2014.9.9 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ