ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3415)

 ドラッカーに学ぶ社内ニート対策

 今日のビジネスシーンにおいて、社内ニートの問題が、にわかに重要視されるようになってきた。すなわち、会社に居ながら、仕事を確保することができない人たちの問題である。

 果たしてこの問題、ドラッカーならどう対応するだろうか。

 実のところ、ピーター・F・ドラッカー(著)『創造する経営者』(ダイヤモン社)には、社内ニート対策を示唆する一文が含まれている。

"人材の最大利用というアプローチにおいては、最も重要な原則は人材ならざるもの、すなわち凡庸なる者に機会を任せてはならないということである。そもそも凡庸な者には機会を利用することができない。しかも機会にはリスクがつきものである。"(P182)

"彼ら[必要な能力を持たないが、面倒を見てやる必要がある人たち]には閑職を与えるべきである。大きな機会を任せるよりもはるかに安上がりである。閑職に置くならばコストは給料だけである。"(P196)

 やや意外だったが、ドラッカーは「凡人に重要な仕事を任せてはいけない。凡人には閑職を与えよ」という趣旨のことを言っている。

 閑職とは「暇な仕事」の意味で、要は社内ニートのことだ。つまり、ドラッカーは、能力の低い人の面倒を見なければならないなら、低能力者を「社内ニートにせよ」と言っているわけだ。

 「一部の人に重要な仕事を集中させるのはおかしい」というイメージがある。だが、現実には、仕事は能力の高い人に集中させて、能力不足の人は「自宅待機」などにした方が、むしろ全体のパフォーマンスが高まる。

 もちろん、いくら全体のパフォーマンスが高まると言っても、一部の人だけに仕事を集中させ、残った人を「自宅待機」にするのは、倫理や公平性の面から見て、問題がある。あまり露骨にならない範囲で、仕事の配分をアンバランスにするのが、大切なのだろう。

 要するに、社内ニートの問題は、そもそも解決する必要がない。1日中、ソリティアをしている社員がいても、実は何の問題もない。ドラッカーも指摘している通り、むしろ、社内ニートに下手に仕事を与える方が、組織のパフォーマンスにとって、有害なのだ。

 山田宏哉記

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