ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3419)

 企業内ノマドワーカー入門 

 これまで僕は「ノマドワーカー」を冷ややかな目で見てきた。但し、本来、仕事をする上で、なるべく時間と場所の制約を減らすこと自体は、方向性として間違っていないと思う。

 ノマドワーカーになるために、わざわざ会社を辞める必要はない。

 企業によって差はあると思うが、やや硬めの日本企業であっても、組織内で「ノマドワーカー」になることは、ある程度、可能だと思う。但し、新入社員が「ノマドワーカーになりたい」と言っても、却下されるだけだろう。何事にも手順と言い方がある。

 組織内で、ノマドワーカーになるための近道は、「成果を出し、実績を積むこと」だ。
小賢しい手を使うのは、むしろ逆効果だと思う。そして、会社や上司に対しては、あくまで「成果」を約束する(労働時間や努力などではなく)

 期限までに約束した成果を出せば、顧客にとって、作業の過程は関係ない(もちろん、不正な手段でないことは大前提だが)。組織内でノマドワークを実践するには、会社や上司に対しても、このようなスタイルを取る必要がある。

 要するに、期限までの成果を約束し、仕事のプロセス(時間と場所を含む)については、全面的に任せて貰う。任せて貰えないとしたら、これは本人の実力不足が原因だ。部下が実力不足なら、上司はそれこそ部下の一挙手一投足を指導しなければならない。

 だから、「アシスタント」や「補佐」という役割や立場では、ノマドワークの実践は難しいと思う。「ご主人様」の都合やスケジュールに合わせて行動する必要があるからだ。
やはり、自分の手で事業を動かしたり、仕事を完遂できることが、ひとつの条件だと思う。だからこそ、「成果の約束」ができる。

 本業で成果を出せば、自ずと裁量が増え、時間も自由に使えるようになる。「仕事の報酬は仕事」という価値観は、日本企業の良いところだ。

 改めて考えると、組織の中で自由に仕事ができるかどうかは、「会社規則やカルチャーの問題」というより、「能力と評価の問題」なのだとわかる。

 能力と評価が高ければ、全面的に仕事を任せられる一方、能力と評価が低ければ、一挙手一投足を指導する必要が生じる。要は、そういうことだ。

 ありきたりだが、結局はプロフェッショナルとして、成果を出すことが最も重要なわけだ。会社や上司に対しても、(労働時間などではなく)成果を約束するスタイルに切り替える。そうすれば結果的に時間と場所の制約は薄れていくだろう。

 山田宏哉記



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