ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3424)

 懲罰人事の効用

 組織人にとって、左遷や降格などの懲罰人事は、結構、こたえるものだ。「言い訳の達人」の責任転嫁が原因だったりすると、尚更、嫌なものだ。

 濡れ衣であっても、理不尽であっても、甘んじて懲罰人事を受けざるを得ないこともある。厳しいが、「嫌なら辞めろ」という話だ。

 懲罰人事は受けないに越したことはないが、降りかかってきたら、仕方がない。

 改めて「最底辺からやり直す」と覚悟を決めて、ゼロから成果を積み上げていくしかない。正確には、マイナスからの再スタートで、「汚名返上」するだけでも、結構な手間と時間がかかる。

 「下座の行」という言葉がある。組織で働く上では、案外、「下っ端」の方が学びが多い。懲罰人事で「下っ端」に逆戻りしたら、むしろ学びのチャンスは増える。何しろ、「下っ端」に対する態度こそ、その人の本性だからだ。

 耐えられるなら、大学院で経営学を勉強するよりも、懲罰人事で「下っ端」に逆戻りして、イチからやり直す方が、遥かに学習効果が高いと思う。僕自身、「下っ端仕事」で実務能力が鍛えられた。プライドは傷付いても、実質的には「下っ端」は悪いものではない。

 組織に貢献した人が冷遇され、口先だけの人が出世する。人間の組織である以上、短期的には、そういう類の誤りはどうしても起きる。だが、まともな企業であれば、いずれ誤りは是正される。

 個人的美学として、「言い訳や弁解をしない」と決めているが、濡れ衣を被るのは、何度経験しても、気持ちがざわつくものだ。

 短期的には「言い訳の達人」の方が得をするように見えるが、中長期的には、「言い訳をしない」と決めた方が能力がストレッチされ、成果の質と量が向上する。少なくとも、僕はそう考えている。

 下っ端として、成果を出し続ければ、案外、見ている人は見ているものだ。悔しい気持ちはよくわかるが、挽回のチャンスはある。

 僕自身、汚名返上に数年、ウェブでの誹謗中傷等を含めると挽回に約10年かかってしまったが、今は、「懲罰人事にも一定の効用がある」と感じている。

 山田宏哉記



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